完全に趣味の領域「トップラグジュアリー&スポーツ」

メルセデス・ベンツSLクラス

バリオルーフを備える、プレミアムなロードスター、メルセデス・ベンツSLクラス。同社の量産車初のフルアルミボディシェルなどを採用する。価格は1248万~1637万円。ハイパフォーマンスモデルのAMGも用意する

とはいえ、オープンカーは贅沢品であることは間違いない。ミニバンや軽トールワゴンなどと違って、無くて生活が困るということはない。完全に趣味の領域がメインのカテゴリーだ。逆にいうと、趣味性の高い領域では、オープンモデルの支持率も高いということ。実際、1000万~2500万円のトップラグジュアリー&スポーツ・クラスでは、ほとんど全てのスペシャリティカー&ブランドにオープンモデル、もしくはクーペ&カブリオレの用意がある。

傾向としては、ソフトトップモデルがいまだに多い。リトラクタブルハードトップを採用しているのは、メルセデス・ベンツSLクラスフェラーリカリフォルニアTぐらいのもの。これら2シーターモデルはまだしもキャビンがコンパクトだから、ハードトップの収納スペースを考慮してもスタイリングが大きく崩れるということはない(それでもトランクリッドデザインなどに制限があるのは、SLやカリフォルニアを見ても明らかだ)。4座ともなれば、全体のフォルムやスタイリングに影響が出ること必至で、見映えのエレガントさを重視するこのクラスでは採用しづらいということだろう。贅沢品ゆえ、あえてクーペとの存在理由を分ける戦略を採っている、とも言える。

実にバリエーション豊かなクラスで、ざっと挙げただけでも、シボレーコルベットコンバーチブルジャガーFタイプコンバーチブルBMW6シリーズカブリオレポルシェ911カブリオレメルセデス・ベンツSLクラスマセラティグランカブリオアストンマーティンV8&V12ヴァンテージロードスターフェラーリカリフォルニアT、と強豪ひしめく激戦区。ある意味、よほどのオープンカー好きでもなければ、1台あればこと足りるカテゴリーゆえ、併存可能なスーパースポーツ系よりも激戦区と言っていい。だからこそ、高級ブランドがこぞって力を入れている。

マーケットリーダーは、メルセデス・ベンツSLクラスポルシェ911カブリオレということになるだろう。前者は今、少し影が薄い。かといって後者は定番テッパンに過ぎる。かといって、マセラティやフェラーリ、アストンマーティンは、そりゃ乗れるにこしたことはないけれど、予算も乗り方にもかなり気を遣うことになる。
シボレーコルベットコンバーチブル

アメリカンスポーツの雄、シボレーコルベットのコンバーチブル。7世代目となる現行モデルはフレームやパワートレインなどを一新、世界最高レベルのFRスポーツに仕立てられた。価格は1019万~1195万円

ジャガーFタイプ

往年の名車ジャガーEタイプの流れを汲む、2シータースポーツのFタイプ。340psのV6と495psのV8という2つのスーパーチャージドエンジンを搭載、価格は1051万~1529万円

このクラスでCPをとやかくいうのは無粋かも知れないが、パフォーマンス、スタイル、完成度、それぞれの高さで、シボレーコルベットジャガーFタイプの2台を特に推しておく。いずれも最新モデルで、アメリカとイギリスをそれぞれ代表するFRスポーツカー。キャラクターも際立っていて、まるで正反対、なんだけれども、パフォーマンスレベルでは甲乙付け難いという面白さ。スポーツカーは、やっぱり生まれ故郷の個性が出た方が、楽しい。