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ラジオのビートたけしがいかにスゴかったかを振り返る(2ページ目)

長年にわたって人気の低落傾向が深刻な問題となっていたラジオ界ですが、ここに来て再び見直され始めたようです。ということは、新たにラジオを聞き始めた層もいるということ。そんな皆さんのために、伝説と呼ぶべき昭和の深夜放送の輝きを紹介していきたいと思います。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

2つの意味で「伝説」を作った

ビートたけしがラジオ伝説のど真ん中に君臨することについては、誰も異を挟むことはないと思います。ただそれに加えてもう一つ、伝説の主と呼ぶべき由縁が彼(正確には、高田文夫も含めて)にはあります。

レジェンドとなったたけし・文夫のコンビは、また、レジェンドの作り手でもあったのです。もっとも有名なのがいわゆる「村田英雄伝説」です。歌謡界の首領的存在だった村田先生の珍エピソードを毎回紹介するうち、リスナーからの「目撃情報」が届くようになり、虚実入り混じった伝説群が出来上がった。ってことになってますが、なに、本当のところは最初から脚色満載のネタでした。

村田先生だけでなく、毎週オープニングで話してきたエピソードトーク、高倉健、大島渚といった超大物から、浅草でたむろってたホームレスのような面々まで取り上げては、爆笑トークに仕立て上げてきました。こうして伝説を作り続けていったことで、自分達もまた伝説となっていったのです。

リスナーの数だけ伝説が

スペースの関係上、ここではビートたけしのみを論じましたが、もちろん伝説のDJは大勢存在します。ラジオというメディアの特性として、1人1人に語りかけているように感じられるんですね。ということは、リスナーそれぞれが伝説のDJを持っているとも言えます。

ざっと思いつくだけでもタモリ、所ジョージ、コサキン、カメ&アンコー、伊集院光、笑福亭鶴光、萩本欽一、ナインティナイン(岡村隆史)、糸居五郎、ナッチャコ……、そうそうたる伝説のDJばかりですが、ほんの一部だともいえます。ここに挙げた方々は全員東京キー局で活躍されてた方々ですが、当然ながら全国には遥かに大勢のレジェンドが存在しています。

当ガイドの出身地・広島にも柏村武昭という伝説のDJが存在しました。全国的には「お笑いマンガ道場」の司会者として知られてますが、中四国地方ではまさしくカリスマでした。番組が簡単に聴ける今であれば、ラジオビギナーの皆さんはアンテナを張り巡らせれば、自分にとっての伝説を見つけられるかもしれません。

新たなラジオの歴史を切り開くのは、間違いなくニューカマーのリスナーだと信じています。
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