企業経営のノウハウ

社内イベントの季節、転ばぬ先の杖、成功のテクニック(2ページ目)

暑気払いにバーベキューパーティー。秋の紅葉に続き、年末になれば忘年会やら新年会。夏から秋、そして冬へと、社内の親睦を深めるための社内イベントが数多く実施されることでしょう。親睦会と言えども、会社負担で行うであれば、事務局側としては、なんらかの効果を見越して企画、実施したいもの。今回は社内イベントの成功のテクニックを紹介してみましょう。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

これは避けたい、失敗する社内イベント

一方で、失敗する社内イベントとはどのようなものなのでしょうか。
退屈な状態

聞くだけの社内イベントは嫌がられる

先の「社内イベントに関するモチベーション調査」、社内イベントの良くなかった点の上位3つは以下の通りです。

1 一方的に聞くだけで退屈した
2 社長や役員のはなしが長すぎた、または共感できなかった
3 一部の社員のみだったこと

全社会議やキックオフ、表彰式や周年イベント等で考えられることですが、経営層の方の話が長いと、社内イベントに悪い印象を与えてしまうようです。それはそのまま、事務局側、運営側への不信感となってしまいます。忙しい中をやりくりして参加したのに、そのイベントに価値を見いだせないとなると、その不満は大きくなってしまいます。コストをかけて、社員の時間も使ったのに、結果として社員の不満だけを募らせてしまう最悪のものとなってしまいます。

経営層としては、せっかく多くの社員が一同に会したのであるから、伝えたい事をこの場で一気に伝えたい、そのように思うことも仕方ないことでしょう。事務局側としては、この経営層と参加者側との板挟みとなりますが、参加者が満足しない限りは、そのイベントは成功とは言えません。発信者側のみ満足するイベントは、是非とも避けたいところです。

参加したいと思われる社内イベントとは

それでは最後に参加者が喜ぶ社内イベントはどのようなものでしょうか。再度「社内イベントに関するモチベーション調査」結果から見てみましょう。

社内イベントの良かった点
1 社員全員が同じ場所に集まったこと
2 参加型で、自分たちも一緒に楽しめたこと
3 食べ物や飲み物

集まること自体が良かったとされています。あまり社員全員が集まることがないでしょうし、メール全盛のこの時代だからこそ、リアルなコミュニケーションが必要とされているのかもしれません。先の、社内イベントの良くなかった点の裏返しとして、自らも参加でき、楽しめることが評価されています。情報交換会も、最も満足が高いのは、最も話をした人です。有益な情報を得ることの満足よりも、自分も係わった、自分も参加したという意識が大切なのです。

参加したいと思う社内イベント
1 社員同士が和やかに交流できる社内イベント
2 海外など普段行かれない場所で開催される社内イベント
3 他部門のことがわかったり交流したりできるイベント

ここも、和やかに交流、つまりは当事者として参加できることが望まれている結果となっています。全員参加のワークショップであったり、端的に懇親会であったり、席に座りっぱなしというイベントは避けるべきでしょう。

いずれにせよ、企画運営側としては、参加者目線で、参加することにどのような意味があるのか、参加することのメリットは何なのか、自らも参加でき楽しめることができるのか、そのような視点で企画することが大切です。「コミュニケーションは受け手により成立する」と同様に、イベントも参加者の参加した感想が、その成功の鍵を握っていると考えて企画しましょう。

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