AO入試に合格するには、エントリーシートで受験動機と熱意を率直に
エントリーシートは背伸びした言葉や内容を書くよりも、自分の考えを筋道立ててしっかり伝えることが大切。
書類の形式は大学によってさまざまですが、そのほとんどは「志望動機」「自己PR」「将来の目標」といった複数の設問(記入項目)に分かれています。そして、これらを「高校までの経験と実績」「自分の意見や考え」と関連づけて論述するのが一般的なパターンです。
多くの高校生にとって、エントリーシートはどこから手を付けていいのか迷ってしまうというのが実情ではないでしょうか。また、受験情報のサンプル文例に頼るなどして、文章の見た目を飾ろうとしがちです。しかし、いくらきれいな文章でも他人の言葉の受け売りでは、面接で内容について聞かれたときに説得力がなくなります。無理に背伸びせず、自分の言葉で率直に書くようにアドバイスしましょう。そのほうが文字や文章表現などは未熟でも、熱意が伝わりやすいものです。
自己PRは自分を売り込むよりも、高校での経験を魅力的に伝える
エントリーシートは、内容(受験生の意見や考え)はもちろんのこと、文章の構成(筋道)や表現についても充分な配慮が必要です。まずは落ち着いて自分と向き合い、いちばん書きたいと思うテーマ(主題)を決めること。そこからじっくりと筋道立てて考え、「大学(学部・学科)と自分」を結びつけながら設問ごとに構成を組み立てていきましょう。たとえば「大学を志望した理由」という設問なら、大学を知ったきっかけ、どこに魅力を感じたか、入って何をしたいのか(なぜ○○大学でなければならないのか)といったポイントでまとめます。また「学部・学科を志望した理由」であれば、自分の得意分野と結びつけてその学問のどこに魅力を感じたのかを述べ、さらに将来の目標にどうつなげるのかというように文章を展開させます。
自己PR(アピール)をどう書くかは、ほとんどの受験生が悩むところです。「自分を大学に売り込もう」というよりも、自分が高校で打ち込んだことの魅力を相手に勧めるような気持ちで考えるのがいいでしょう。部活動や趣味の楽しさ、ボランティア活動やアルバイトで感じたやりがいなど、高校時代に経験したことについて、自信と説得力をもって相手に説明できるかどうかがカギになります。
文章表現のチェックはプロに任せて、親は側面からサポートを
エントリーシートの記入は、本人の自筆が大原則です。達筆でなくても、丁寧に読みやすい文字で書くように心がけることが大切な姿勢といえます。先ほども書いたように、多くの高校生は受験を意識すると背伸びをしがちです。保護者の方は、お子さんが自分の長所をしっかり理解し、志望校への熱意を素直に表現できるように話し合ってみるとよいでしょう。とはいえ、あくまでも本人の主体性が第一で、的確なタイミングでさりげなく助言することが大切です。たとえば、日頃生活を共にしている家族の視点から、本人には気づきにくい長所を指摘してあげるのもよいサポートになります。
文章がおおむね完成したら、高校や予備校の先生などに文章の読みやすさ、誤字・脱字や誤った言葉遣い、稚拙過ぎる言い回しはないかをチェックしてもらいましょう。ここはやはり、プロにしっかりと添削してもらったほうが賢明です。
最後に、親が面接官代わりになり、エントリーシートに書かれている内容に関する質問を挙げて、模擬面接をしてみましょう。そうすることで、内容の不備や問題点も見つかりやすくなります。もちろん最終的には高校や予備校でも面接指導を受けて、万全の体制で試験に臨みましょう。
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