国内外のボランティアが協力
公園作りに協力してくれたのは、釜石を訪れていたボランティアの皆さんでした。復興支援のボランティアに食事を無償提供していた藤井さん。そんな藤井さんの願いを知って、アイルランド人と日本人を両親に持つ方、イギリス、ニュージーランド、スペイン人など、30名を超える多国籍の仲間達が集まりました。メンバーの中には建築の知識を持つ方やアーティストもいました。材料は川や海から集めてきた皆さん。近所の方も、所有する山林の木を「好きなだけ使っていいから」と、提供してくれました。大勢の協力で公園作りは進みます。自然の素材を使って、自然に還っていく公園を。そんな思いでスタッフが作り上げた公園は、震災の翌年5月5日にオープンしました。
のべ600人が描いた巨大壁画
その後、2014年4月には、こすもす公園に巨大な壁画も登場します。この壁画、どこに描かれているかわかりますか? 実はお隣の鉄工所の壁なんです。「濡れた壁を見ると津波を思い出す」という子供の声があり、持ち主の鉄工所の社長に相談した所、壁画を描くことを快くOKしてくれました。
「太陽の国」というタイトルのこの絵をデザインしたのはタイ在住の画家、阿部 恭子さんです。阿部さんはじめ、大勢のボランティアや地元の親子達、藤井さんご夫妻、そして鉄工所の社長さんも参加して、のべ600人で半年かけて壁画を描きました。大きさは、縦8メートル、横が43メートルもあります。見ているだけで元気が出てくるような、パワーを感じる壁画ですね。
また、今年2015年4月には、公園の中に「希望の鐘」も設置されました。訪れるたびに、こすもす公園の表情がどんどん変わっていくのを感じます。