こんな記憶のムダ遣いが生産性を下げる
悩みを抱えたままだと深まるばかり
そうです。お酒を飲んだ状態で会議に出たり、仕事をしているようなものなんです。
こう考えると、スマホを見ながらの仕事がいかに生産性を落とすかがわかってもらえるでしょう。
このように、作業記憶から考えることで、あなたの仕事の生産性を落としている原因を見つけ、生産性を上げることができるようになります。
では、スマホ以外にあなたの作業記憶をムダに使っているものは何だと思いますか?
それは「心配ごと・悩みごと」です。
あなたが何か心配ごとや悩みごとを抱えているとしましょう。仕事をしていても、ついついそのことを考えてしまう。なかなか仕事に集中できないということはありませんか?
これはまさに作業記憶を心配ごとや悩みごとに食われてしまって、仕事に集中したり、文章を読んだり、計算したりするための大事な作業記憶を不足させている状態です。
いくらあなたが素面(しらふ)でも、作業記憶からすると、心配ごと・悩みごとを抱えながら仕事をしているのも、お酒を飲みながら仕事をしているのと同じなのです。
記憶をムダ遣いしないようにするには?
では、どうすればこのような、作業記憶をムダ遣いしないで、仕事の生産性を上げることができるのでしょうか?まずは、「作業記憶」の使用容量を意識することです。もちろん、パソコンのメモリとちがって正確な数値が出てくるわけではありませんが、「今、スマホに作業記憶を食われているな」というように自覚することで、あなたの行動が変わってきます。
おそらく、これまで何気なく見ていたスマホが、「作業記憶をムダ遣いする常駐ソフト」のように見えてきたのではないでしょうか?
そうなれば、スマホを目に見えないところに入れたり、スマホの電源を切ることが自然とできるようになってきます。
なお、スマホを目に見えるところに置いたまま、仕事に集中しようとがんばっても、スマホから注意を逸らそうということに作業記憶が食われてしまうのでムダですし、長くは続きません。物理的に自分の視野から外したりするのが効果的です。
では、心配ごとのように、スマホと違って物理的に存在しないものはどうすればいいのでしょう?
その方法は単純です。まずは物理的な存在に変えてしまうのです。具体的には、白い紙やパソコンの中のメモ帳でいいので、心配ごとや気になることを書き出してしまうのです。
いわば、限られた容量しかない「脳のメモ帳」に書かれていることを、無限の容量を持つ「外部記憶装置」に書き写してしまえばいいのです。そして、もしそれについて何かできる行動があればすぐにしてしまえばいいですし、もしなければ、あとでそれを見るようにすればいいのです。
限られた作業記憶を効率的に使い、仕事の生産性を上げていきましょう!