子どもの発達と飛び跳ね
高いところに登ってはジャンプしたり、歩いているだけでもスキップしたり。飛び跳ねる動作は、本来人間が欲している動きなのかもしれません
ジャンプができるようになるのは2~3歳ですが、おおむね発達的に走るなどの運動機能が安定するのは4~5歳です。足の土踏まずから見ると約6歳で大人とほぼ同じような状態になります。
頭を起こしてから背筋を伸ばし、足を伸ばして体を起こす人間の発達過程を「重力に対する抵抗運動」としての側面から考えると、飛び跳ねは一番の抵抗運動と言えます。地面から離れることで、重力に確実に勝っている状態だからです。この動きは、人間の進化の側面からも意味のあることかもしれません。
アフリカのマサイ族では、一番高く飛べる人を尊敬すると言われています。こういうところにも、人間の能力として飛び跳ねることが良しとされているのかもしれません。
感情と飛び跳ね
本来子どもは感情を表に出す場合に、語彙力のなさを補うため体を使ったボディランゲージで表現します。嬉しければ飛び跳ねますし、興奮しても飛び跳ねます。それが、昨今は電子的な情報入力に囲まれ、メールなどの言葉で感情を表す機会が増えています。絵文字もいいですがやはり本来的には、体で表現してこその感情だと思います。体を思いっきり使ったで感情の表出はストレスを残しません。身体表現が減少していることと、子どもに今ストレスが蔓延しているということには関係があるのかもしれません。
飛び跳ね運動にトランポリンがオススメ
トランポリンによる飛び跳ね運動には、身体感覚を鍛えるのに有効な点がいくつもあります
- 飛び跳ねることによる姿勢筋である抗重力筋の強化
- 内耳刺激による平衡感覚の強化
- 浮遊感、上下運動による高揚感の獲得と覚醒の強化
- 空間認識(右脳)の強化
- ふくらはぎを使うことによる循環機能の改善
- 有酸素運動によるダイエット効果
何よりも一番は抗重力筋の強化です。姿勢が抜群に良くなります。姿勢が悪い方は真っ直ぐ飛べません。左右や前後に揺れてしまいます。姿勢がいいかどうかの自己確認にも使えます。トランポリンの飛び方も色々ありますが、高く飛ぶというのが抗重力筋を鍛えるにはオススメです。これらの効果は子どもに限らず、もちろん大人にも適応できます。
飛ぶためには天井が高くないといけませんが、直径130cmくらいのものが多いですから、少し広い所があればできますね。ガレージや外に出して飛ぶのも開放感があっていいでしょう。ものによって弾性力がバネであったり、ゴムであったりします。音が静かものはゴムです。マンションなどで上下が気になる場合はゴムがオススメです。
高齢の方には手すり付きのものがあるといいかもしれません。また、平衡感覚の強化にはいいですが、強いめまいや心臓の問題、内臓脱などの問題がある方にはオススメできません。少なくとも軽く飛んでみて不快感があれば運動を中止したほうがいいと思います。
その他の飛び跳ね運動
トランポリンは置く場所がなくて難しいかも……という方には、懐かしいですが縄跳びがオススメです。縄跳びもやはり飛び跳ねる運動の代名詞ですね。大人で縄跳びというとボクサーの練習の必須項目のような印象がありますが、健康運動としてとてもいい運動です。若い方だと、ライブハウスに出かけてでノリノリでジャンプというのもいいです。ただ楽しんでいるだけで運動にもなり、一石二鳥ですね。
走ることも実は片足での飛び跳ね運動とも言えます。着時に衝撃を吸収し、蹴り出しで飛んでいるのです。走るときには踵を着かずに、つま先で着くと衝撃吸収能力が高まりますので、ランニングの週間のある方はつま先での着地を意識してみて下さい。
まとめ
今日から少し、日常に飛び跳ね運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。なんと、トランポリンカフェという場所も出てきているとのこと。飛び跳ね運動が日本の未来を明るくしてくれそうですね。皆さんもどんどん飛び跳ねてみて下さい!【参考】
日本学術会議 PDF: 「我が国の子どもの生育環境の改善にむけて」
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