ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

山あり谷あり、それが人生。『ジャージー・ボーイズ』(3ページ目)

ザ・フォーシーズンズの名曲の数々で綴られるブロードウェイミュージカル『ジャージー・ボーイズ』が初来日。その魅力に迫ります。初日会見レポも!!

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド

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この後ろ姿がシビれる!


☆個人的『ジャージー・ボーイズ』のピンポイントなツボ☆

『ジャージー・ボーイズ』に関しては、あちこちでご紹介させていただいていて、公演パンフレットにも、へぇ~という楽屋話を書かせていただきました。ここでは個人的にツボっているポイント(激しくピンポイント?!)をご紹介します。

 フランキー・ヴァリ役の硬質なファルセット

なんといってもこの話、フランキー・ヴァリの歌声がいかに類稀か、その歌声ゆえに成功を収めることができ、逆に孤高の道を歩まなければいけなかったかが柱になっています。ということは、フランキー・ヴァリ役が完璧なファルセットで歌えないと説得力がない、ということです。

『ジャージー・ボーイズ』チームの素晴らしいところは、どのカンパニーにもフランキー・ヴァリにそっくりなファルセットを歌える“フランキー役者”がいるところです。そのためにオーディションで高音を歌える人を集めて、フランキー役を養成するための研修、通称“フランキー・キャンプ”を行っているとか。(公演パンフレットに写真が掲載されているので、要チェック!)。こういった努力が、公演の質を高める→ロングランにつながっているに違いありません。

2015年の来日ボーイズがいい味を出している

今年3月、アメリカのサラソタ公演を観劇。来日キャストを取材しましたが、トミー・デヴィート役のマシュー・デイレイはジャイアンタイプ。いたずらでワルそうだけど、憎めない愛嬌もある感じ。『キャッツ』のラム・タム・タガー役をやったことがあるそうで、確かに共通するような。ニック・マッシ役のキース・ハインズは大柄で重低音がシビれる!モテ男ニックにぴったり。ブロードウェイ・カンパニーのテレビコマーシャルにもニック役で出演しています。

ボブ・ゴーディオ役のドリュー・シーリーは今時の小顔&スレンダー君で甘めの王子様系。歌手活動も精力的に行っているそうです。

そしてフランキー役はヘイデン・ミラネース。素はシャイな性格なのが、孤高のフランキーっぽいです。そして素晴らしいファルセットの持ち主。踊りもキレキレです。来日公演にはもうひとりのフランキーとしてミゲル・ホワキン=モアランドが登場。彼も独特のファルセットの持ち主で、素顔は愛くるしくて明朗快活な男性。どんなフランキーになるのか、楽しみです。


「君の瞳に恋してる」のホーンセクション

この話はどこかに書きたくてチャンスがなかった!作品中、好きなシーンはたくさんありすぎて困る~なんですが、やはりフランキーが歌う『君の瞳に恋してる』はグッときます。あのシーンで、盟友ボブ・ゴーディオがフランキーを見守るのも素敵。そして、登場するホーンセクションがまた、いいんです!

ホーンセクション(金管楽器パート)については物語でちょこちょこ言及される、伏線的なものがあるのですが、それが結実するシーンがココ。

振付のセルジオ・トルヒーヨに聞いたら、登場の仕方も一見単純そうでなかなか揃えるのが大変なのだとか。バンドは普段、動かない人が多いですからね。前の人の後ろ姿を映像で撮り、それを見せて指導しているそうです。

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