ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

山あり谷あり、それが人生。『ジャージー・ボーイズ』

ザ・フォーシーズンズの名曲の数々で綴られるブロードウェイミュージカル『ジャージー・ボーイズ』が初来日。その魅力に迫ります。初日会見レポも!!

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド

宣伝写真

(l to r) Keith Hines, Hayden Milanes, Drew Seeley and Nicolas Dromard Photo: Joan Marcus


祝!日本初上陸 世界中で愛される真実の物語
ブロードウェイミュージカル『ジャージー・ボーイズ』


「シェリー♪」とすぐに覚えてしまう名曲の嵐!!

我が家はミュージカルのアルバムをBGMに流していることが多いのですが、今年上半期の三浦家ヒットNO.1は『ジャージー・ボーイズ オリジナルサウンドトラック』でした。もともと私が仕事で聴き込んでいたところ、家族が皆覚えてしまったという、そのぐらい耳馴染みの良い名曲ぞろい。セリフが入っていたり、つなぎが上手いというのもあるでしょうか、とにかく楽しい!!そしてすぐ口ずさめるところが素敵です。中学生が「シェーリー♪」と日々歌っているのが、なんとも不思議な感じ。だって、「シェリー」がヒットしたのは1962年と50年以上前ですからね。

フランキー・ヴァリのソロ「君の瞳に恋してる」も繰り返しカヴァーされる人気曲で、最近ではEXILEも歌っていたような。そして個人的にはザ・フォー・シーズンズを聴いていると、山下達郎や大瀧詠一を思い出すんですよね。日本のポップスの源泉的な存在でもあるんだな、としみじみ。

ザ・フォー・シーズンズのサウンドの色褪せなさを感じるとともに、ミュージカルとして復活してくれてよかった!としかいいようがありません。


ザ・フォー・シーズンズの成功と挫折、友情が赤裸々に

そう、『ジャージー・ボーイズ』は4人組のコーラスグループ、ザ・フォー・シーズンズの成功と挫折、友情が彼らのナンバーとともに描かれます。ザ・フォー・シーズンズは1960年代、アメリカで大人気を博し、No.1ヒットを連発しました。当時のライバルはビーチ・ボーイズだけ。

ニュージャージーで生まれ育った労働者階級の彼ら。なかなかのワルなメンバーもいるわけですが、そんな彼らが様々な苦労を経て、スターダムにのし上がってゆく。一見、華やかなアメリカンドリームですが、その裏で起こる借金問題や女性問題、グループの崩壊、私生活の不幸…。そんな実話が赤裸々に盛り込まれています。

いわゆる過去の名曲をミュージカルで綴る“ジュークボックス・ミュージカル”と呼ばれますが、『ジャージー・ボーイズ』は一味違う。ジュークボックス・ミュージカルの代表作がABBAの名曲を使った『マンマ・ミーア!』ですが、『マンマ・ミーア!』がABBAとは関係ない創作のストーリーであることに対し、『ジャージー・ボーイズ』はザ・フォー・シーズンズの真実の話だという点です。

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Dawn


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