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体の60%は水分。コラーゲンはありとあらゆる組織に存在する
コラーゲンは体のあらゆるところに存在する
私たちの体は約60%が水分でできていますが、残りの40%の大半がタンパク質であるといわれています。タンパク質の一つであるコラーゲンはその1/3を占めるといわれ、骨や皮膚、髪の毛、爪、血管、内臓などあらゆる組織に存在します。コラーゲンの主な役割は、細胞と細胞をつなぐこと。たとえば筋肉と骨を結ぶ靱帯や腱などは弾力性をもたせつつ、しっかりとつながっていることが大切で、コラーゲンはこうした役割を担っています。また骨にも多くのコラーゲンが存在します。鉄筋コンクリートの骨組みのようにコラーゲン線維が張り巡らされ、そこにカルシウムが沈着し、接着することで頑丈にできあがるのです。
このようにコラーゲンは、私たちが健康的な毎日を過ごすためになくてはならないタンパク質であるといえるでしょう。
新陳代謝の衰えとともに変性するコラーゲン
年齢を重ねるにつれて、体内でのコラーゲンの再生能力は少しずつ低下します。古くなった細胞を分解し、新しい細胞を作り出す新陳代謝が年々衰えてくるにつれ、体内にあるコラーゲンも少しずつ減少し、古いコラーゲンが体内に長くとどまるようになります。古いコラーゲンはみずみずしさや弾力性を失い、組織のあらゆる部分にとどまってさまざまな不具合を生じるようになります。たとえば血管の壁に古いコラーゲンが沈着すると血管の柔軟性が失われて動脈硬化のリスクが高まりますし、骨の中にあるコラーゲンが減少し、古いコラーゲンが長くとどまってしまうと、カルシウムがうまく沈着せず骨粗鬆症の原因にもなります。弾力性を失った皮膚はもっともわかりやすく、シミやしわ、たるみなどが目立つようになってしまいます。
栄養とコラーゲンをとり、運動で活性化させる
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コラーゲンはタンパク質の一つです。食事から補給することができます。
食事などでコラーゲンを摂ることは、血液の中にコラーゲンの元となるアミノ酸が多く含まれることになり、コラーゲンを生成する材料を各組織に運ぶことが可能となります。ただし、血流にコラーゲンの元がたくさんあっても、それが体のすみずみまで運ばれなければコラーゲンの恩恵は受けられません。
ここでもう一つ重要となってくるのが血流をよくするために欠かせないこと、すなわち運動なのです。運動による血流アップがコラーゲンの元となるアミノ酸を各組織に運ぶことにくわえて、多くの酸素を含んだ血液が組織に到達することで、コラーゲンを作っている線維芽細胞が活性化してより多くのコラーゲンを生成するようになります。運動はコラーゲンの生成や新陳代謝の活性化に必要不可欠なものなのです。
体内コラーゲンを維持し、健康的な体になるためのエクササイズ
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有酸素運動は毛細血管の血流をあげ、コラーゲン生成を活発にさせる
また筋力トレーニングは運動の中でも高い負荷をかけることができるトレーニングです。トレーニング後は筋疲労により多くの成長ホルモンが分泌され、タンパク質の合成や細胞の活性化を促します。常に重力に対する負荷がかかる抗重力筋(直接運動していなくても身体の姿勢を保つために働いている筋肉)は特にコラーゲン生成が盛んに行われるといわれており、下肢や背中周辺部のエクササイズは特に効果が期待できます。
今回は普段あまり運動をしていないという方でも取り組みやすいものを中心に、エクササイズをご紹介します。
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背中が丸まらないように注意して行いましょう
(参考ページ:基礎代謝もアップする!正しいスクワットの方法)エクササイズの王様とも呼ばれるほど効果のあるトレーニングです。下肢を使ってしゃがみ込み、また元に戻るという動作は姿勢維持にも役立ちます。
膝がつま先より前に出ないように注意しながらしゃがみ込み、そこから元の姿勢に戻ります。10回を1セットとして1日に2~3セットを目安に行います。負荷なしのトレーニングに慣れてきたらダンベルや500mlのペットボトルなどで負荷をつけてみましょう。
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背中を伸ばし、体がふらつかない範囲で片足ずつ前に踏み出す
立った状態から前に一歩踏み出し、また元に戻ります。足を交互に踏み出して左右あわせて10回を2~3セット行います。階段を上る動きと同じく、股関節を支える腸腰筋を鍛えることができます。
■シーティッドローイング
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背中を丸めず、肩甲骨を意識して腕を手前に引き寄せる
■背中のツイスト
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無理をせずできる範囲でひねり動作を行う