水のイメージ

マンション内の漏水事故は珍しくありません・・

分譲マンション内のトラブルで、居住者間の行為・マナーに次いで多いのが、漏水事故です。平成26年度の国交省による「マンション総合調査」によると、管理組合全体の2割近くが水濡れ事故を経験していると回答しています。

水漏れ事故の多くは、以下のような原因によって発生しています。
・ベランダの排水管の詰まり
・洗濯機置き場の蛇口が開きっぱなし
・浴室床下配管からの漏れ
・洗面台蛇口根元からの漏水
・トイレ排水管の詰まり

こうした漏水事故によって、その階下の住戸が水濡れや汚損の被害を蒙り、
ひどい場合には数百万円から1千万円台の損害賠償にまで及ぶこともあります。

居住者自身の不注意や、日常清掃の不足、設備の老朽化など、理由は様々ですが、いつ自分が被害者もしくは加害者になっても不思議ではないと言えます。

被害者もしくは加害者のいずれにしろ、自らが漏水事故の当事者になってしまった場合に、損失を最小限に止め、トラブルを早期に解決するのに役立つ保険の活用方法をご紹介します。

もしもの時に使える保険を確認しておく

生命保険・損害保険のどちらにも共通することですが、自分が一体どんな種類の保険に入っていて、どこまでの保障や補償が受けられるのかを認識している方はきわめて少ないのではないでしょうか。

ただ、突然の災難に冷静さを失って使える保険を活用するチャンスを逃すのは大変もったいないことです。少なくとも以下の2つの保険については加入状況を確認しておきましょう。

(1) 個人賠責保険
この保険は、個人またはその家族が、日常生活で誤って他人にケガをさせたり他人の物を壊したりして、損害賠償金や弁護士費用などを負担した場合の損害を補償する保険です。

ただ、この保険に単独で加入するケースは少なく、様々な保険商品に特約として付帯するのが一般的です。たとえば、火災保険のほか、傷害保険、自動車損害保険、あるいはクレジットカードなどです。

ただ、自動車保険やクレジットカードの場合、自動車の売却やカードの解約などに伴い個人賠責特約も未加入の状態になってしまう場合がありますから注意が必要です。

一方、専有部分を対象とした個人用のマンション保険は、漏水などの水濡れ被害(他人の住戸内で生じた事故あるいは給水設備の事故に伴う漏水・放水・溢水の場合に限る)に遭った際の損害も補償されます。

つまり、加害者になった場合の賠償リスクを肩代わりしてくれるだけでなく、被害者となった場合にも救済されるのでお薦めです。

(2) 管理組合が加入するマンション総合保険
分譲マンションの場合、管理組合が共用部で発生する事故や損害に備えて加入している保険があります。これを「マンション総合保険」と言います。

この保険の場合、建物の火災保険に加えて上記の個人賠償責任特約も付保されているのが通常です。

この特約があれば、たとえ専有部分内の漏水が原因であっても、居住する加害者が申告すれば保険が適用され、被害者への賠償金(保険会社の免責金額を超える金額)を補てんしてくれます。

したがって、加害者・被害者ともに個人的に個人賠責保険に加入していない場合でも救済されます。(なお、区分所有者だけでなく、賃借人を含む居住者も保険の対象になります。)

管理組合の定期総会では、マンション総合保険の契約情報が開示されるのが通例ですので、その内容を確認しておきましょう。

それでは最後に、漏水事故の当事者になった時の対処方法をご紹介します。

漏水事故の当事者になった時の対処法

事前に保険の加入状況を知らない状況で漏水事故の当事者になってしまった際には、下記の手順に沿って冷静に対処するようにしましょう。

(1) あなたが加害者の場合
個人賠償責任特約が付保された保険に加入していないか、個人用の火災保険、自動車保険、傷害保険、クレジットカードの加入状況や付帯する特約の内容を確認しましょう。

個人の保険として加入していない場合には、管理組合か管理会社に問い合わせ、管理組合のマンション総合保険で付保されていれば保険適用を申請します。

(2) あなたが被害者の場合
相手の加害者に賠償請求しても、加害者が非を認めなかったり、保険に加入していないなどの理由で復旧が進まず、損失を蒙ったままでこう着状態になると困りますね。

もし、あなたが個人用の火災保険に加入していれば、水濡れ補償の特約が付帯している可能性が高いので保険会社に問い合わせましょう。

個人的に加入していない場合には、管理組合のマンション保険で個人賠責特約の有無を確認し、付保があるなら加害者を通じて保険申請してもらいます。

日頃はほとんど意識することのない保険ですが、蓋然性の高いマンションの漏水事故については、個人の保険以外に管理組合が加入する保険も活用できる可能性も高いので覚えておくとよいでしょう。




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