イタリア語

誕生会は自腹!イタリア流誕生会の習慣

歳がいくつになっても、毎年必ずやってくる誕生日に周りの人に「おめでとう!」と祝われるのはくすぐったくも嬉しいものですよね。特に、子供のうちは日本でもイタリアでもまだ親が誕生会をしてくれたとしても、イタリアでは大人になるにつれてその習慣が変わってきます。その違いや、お祝いのメッセージなどをご紹介したいと思います。

西村 清佳

執筆者:西村 清佳

イタリア語ガイド

子供の誕生会は親が主催!

誕生会イメージ

いくつになっても誕生日をお祝いされるのは嬉しいもの

イタリアでもまだ子供のうちは、親が子供のために自宅や、場合によっては外に場所を借りて誕生会を開きます。家は風船や色紙を使って色とりどりにデコレーションしたり、料理はピッツァやラザニア、フライドポテト、トマトソースで味付けしたミートボールなど、イタリアの子供たちに人気のあるメニューが用意されます。

招待されるのは主に同級生の友達を中心に、そのお母さんたちも一緒に招待されます。そうなると招待客があっという間に増えてしまうので、外の会場を借りるケースもあります。隣接して公園や遊具などがあって子供たちが一緒に遊べるようになっている、ピッツェリアやハンバーガーショップなどが、誕生会の会場候補に挙げられます。

大人になると事情が変わる誕生会!?

これがひとたび大人になると、「誕生会を誰が開くのか」といった事情が一転します。日本では、主役のために周りがお膳立てしたり、あるいは本人には内緒のままサプライズで企画したりすることもありますが、イタリアでは主役の本人が誕生会を主催します

すなわち自ら場所を選び、メニューを決め、友人や親戚など招待客を決めて招待し、誕生会にかかる経費は全て自分で払います。これは「誕生日には主役の自分が周りの人に祝ってもらうもの」ではなく、「誕生日には主役の自分が周りの人に楽しんでもらう場を提供するもの」という考え方から来ています。またカップルで招待するのが基本になっているので、友人を招待したらそのお相手も招待します。

例えば勤め先や習い事のサークルなどには、自分の誕生日にはクロワッサンやケーキなど、みんなで分けて食べられるものを持っていったりします。それを自ら切り分け、一人一人に配りながら「今日、誕生日なんです」と宣伝して祝ってもらうのです。日本人には、自分の誕生日を自ら宣伝するなんて恥ずかしいような気もしますが、「普段お世話になっている人たちに、今年も無事に誕生日を迎えられたことへの感謝を込めて」という意味と考えるればしっくりきます。

日本では還暦を越えた後に喜寿や米寿のお祝いなどがありますが、イタリアでは40歳、50歳、60歳などが節目の年になっていて、家族や親戚、友人を集めて盛大にお祝いする習慣があります。

次のページは、イタリア独特の習慣などをご紹介します。
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