大学生の就職活動

【体験】Googleが実践する注目のマインドフルネスとは(2ページ目)

誰もが認める世界的IT企業のGoogle。日本では2015年「働きがいのある会社」(Great Place to Work)ランキング1位にも選ばれている。今回はGoogleの社員がビジネスで成果をあげているだけではなく、精神的にも豊かに働けている秘訣を独自の研修プログラムから探る。

小寺 良二

執筆者:小寺 良二

ライフキャリアガイド

世界に広がるGoogleの人材開発研修「Search Inside Yourself」

実はこの「Search Inside Yourself」(SIY)というプログラムは現在全世界で実施されており、Googleの社員以外にも公開されている。ガイドは2015年6月にシンガポールで行われたSIYに日本人唯一の参加者として参加してきた。

Googleが世界展開しているSearch Inside Yourselfに参加することができた

Googleが世界展開しているSearch Inside Yourselfに参加することができた

シンガポール初開催ということもあり、アジアだけでなく世界50カ国以上から100名以上が参加しており、その多くはグローバル企業の人事部やコンサルティング会社のコンサルタントなどが多かった。

プログラムは2名のファシリテーターによって英語で行われるのだが、レクチャーを聞くだけではなく2日間で20以上のエクササイズやペアワークを実践する。瞑想などでは自分の呼吸や意識に集中するトレーニングを行い、ペアでのコミュニケーションワークでは相手の立場や考えを自分のことのように受け止める姿勢を学ぶ。

実際にやってみると意外に自分に対しても相手に対しても集中するということが難しい。でもこれを日々実践していくことで、どんな状況にも心の平安を保てたり、相手と意見の相違があっても理解し合っていける気がした。Googleの社員から話を聞く機会もあったが、実際にGoogle社内では、ミーティングの最初に瞑想を数分間行ってから議論を始めるらしい。そうすると生産性も上がるという。

世界50カ国以上の異なる国の人たちが同じ内容を一緒に学ぶ

世界50カ国以上の異なる国の人たちが同じ内容を一緒に学ぶ

「Search Inside Yourself」を受けてみての感想は、禅や瞑想といった東洋的な要素と脳科学やEmotional Intelligenceといった西洋的な要素がバランスよく融合しているプログラムだということだ。そして何よりもこのプログラムをGoogleの社内に留めることなく全世界に公開している姿からは、Googleがマインドフルネスを通じて世界をより良くしていこうとしている想いが伝わってきた

世界のGoogleが社員1人1人の「心の豊かさ」に取り組んでいる。これからは「経済的な豊かさ」だけではなく「精神的な豊かさ」を大切にして働く時代になってきているのだろう。

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