魅力的なベーグルの生まれるところ
窓から京王線が走るのが間近に見える
「一番好きなベーグルとその食べ方は?」山内さんに質問すると、「もちろん全部好きだけれど、もし全種類売れ残っていて、翌朝1個だけ食べるとしたら、」と山内さんは言い換えます。「”オニオン”をカリカリにトーストしてバターを塗って食べるか、”はちみつ全粒粉”にピーナツバターをたっぷり塗って、バナナを添えて食べるか。和ベーグルはそのまま食べてもおいしいように作ってあるので、食べ方を聞かれるとニューヨークタイプのほうが思い浮かびますね」。ニューヨークベーグルは何かと一緒に食べる、食事パンなのです。
窓側がニューヨークベーグル
ケポベーグルズのニューヨークタイプのベーグルは成形後、冷蔵庫に入れて被いをかけずに低温長時間発酵させます。表面が乾燥するのでパン職人の常識ではしないことですが、山内さんはこれを本場のベーグルから学びとりました。身がしまって皮がバリっとするのだそうです。一方、和ベーグルは生地玉で乾燥させないように発酵をとり、一般的なパンの作り方に近いといいます。
「レモン大納言」はレモンピールと小豆の取り合わせ!
りんごの芯つき。形が可愛い「焼きりんご」
「和ベーグルには今、国産の超強力粉を使っていますが、今後はもう少し灰分の多い粉をブレンドしようかと思っています」と話す山内さんはパン職人の顔をしています。そして「粉選びはおもしろいとかつまらない、といった気分にも左右されるんです」と笑う。今、店に出しているベーグルをもっとおいしくするにはどうしたらいいか考えるだけで、毎日が楽しいのだそうです。
きなこが限界までたっぷり練り込まれたベーグルも
ランチにはサンドイッチもおすすめ
考えるのが楽しい人に、生地と素材の組み合わせはお手のもの。餅のような食感のベーグルだからと和菓子的なバリエーションから始りましたが、今はさらに広がりをみせています。「いちじくくるみ」のいちじくには夏はグレープフルーツジュースで、他の季節はカルダモンやクローブのスパイスティーで戻すなど、こまかな仕事を施します。喜んでもらえるものが第一だから「もちチーズ」のようにお客さんの要望から生まれるベーグルもあります。店に入った時に感じたワクワクの原因はこのあたりにあるのかもしれません。
ベーグル生地で焼かれた食パンは小さいけれど力強い食感
さて、どれにしましょうか。ニューヨークベーグルや食パンはおみやげにして、駅まで歩き食べをするなら、和ベーグルの焼きたてを選びましょうか。お供には、店内で作っているつめたい特濃チャイ(牛乳270円、豆乳300円)がおすすめです。
ケポベーグルズ
■ケポベーグルズ
住所:世田谷区上北沢3-17-8
電話:03-6424-4859
営業時間:9:00~19:00
定休日: 月火(月曜は祝日の場合営業)
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京王線上北沢駅徒歩3分