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マツダ・ロードスターが受注に伸び悩んだ3つの理由

メディア向けの試乗会を2度も行い、話題騒然のはずだったマツダ新型ロードスター。しかし、意外だったのは受注台数の少なさ。なぜ初期受注が伸び悩んだのか?分析してみると、3つの理由が見えてくる。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

マツダ・ロードスターがついに発売も予想外の受注台数

マツダ・ロードスターが発売となった。こう書くと「まだ売っていなかったの?」と思う方も少なくないだろうけれど、すでに価格を発表し、メディア向けの試乗会まで2度も行われていたものの今までティザーでした。意外だったのは受注台数の少なさ。マツダによれば3323台だったそうな。

新型ロードスター

話題となっていたが、意外にも受注台数は少なかったマツダ新型ロードスター


ご存知の通り1年近くかけてジックリとクルマを紹介し、少しづつ情報公開をしてきた。業界関係者によれば「下を見て1万台くらいの初期受注があるのではないか思ってました。予想外に少ないです」。ちなみに同じ時期にティザーなく発表されたホンダS660の場合、すでに6000台を超える受注となっている。

いや、もっと正確に書けば、S660は発表時に初期ロットを売り切り、すでに年内納車は不可能と宣言済み。納期を聞いて諦める人もたくさんいるそうな。納期が短ければ1万台程度の引き合いだったという。軽自動車のため、他の国に輸出する分を日本に割り振ることも出来ない。

考えてみたらトヨタ86/スバルBRZの初期受注も1万台程度。この手のスポーツカーが欲しいというユーザーは日本に1万人くらいいるということだと思う。より正確に書けば、4代目となるロードスターなら2万台くらいの初期受注あってもおかしくない。マツダによれば、その程度を想定したらしい。

ロードスターの初期受注が伸び悩んだ3つの理由

実際、昨年から直近まで、もの凄い人気だった。既存のロードスターユーザーの反応だって熱すぎるほど。だからこそ受注の事前予約をWebに限り、混乱が起きないようにしたワケ。こうなると気になるのは「なぜ初期受注は伸び悩んだのか?」という点にある。三つほど大きな理由があると考えます。

一つ目は「価格」。最も安い『S』グレードで249万4800円。オプション無しの状態で支払額280万円だ。これだとスポーツカーに必須のLSDなどが付いていないため、皆さんその上の『Sスペシャルバッケージ』を選び270万円に。ナビなどを加え、諸費用を払えばおおよそ320万円になってしまう。

1.5リッターエンジンを積むライトウエイトスポーツカーとして考えれば少しばかり割高感はある。2リッターの86/BRZと全く同じ価格帯だし、VWゴルフのような輸入車だって買える。はたまた中古車であれば、ポルシェ・ボクスターに手が届く。少しばかり割高かと。

二つ目がアメリカでラインアップされている2リッターエンジン搭載車の存在。アメリカでは「ニーズあるから売ります」。日本だと「1.5リッターの方が良いので売りません」と2面外交している。マツダは断固否定しているけれど、当然ながら「日本でも2リッターを追加するのでは?」。

三つ目が「あまり引っ張るので飽きてしまった」。考えて欲しい。ロードスターに限らず、スポーツカーは初期受注が命。86/BRZも半年くらいで落ち着いたし、ホンダもS660の売れ行きがずっと好調だと思っていない。いくらなんでもロードスターは待たせ過ぎだったと思う。
新型ロードスター

文句なしに良いクルマ。興味があるなら、まず試乗してみることをおすすめする


ということでバイヤーズガイドを。欲しいと思っているなら文句なしに良いクルマなので、試乗し、エンジンパワーなど納得できればぜひどうぞ。懸念される2リッター搭載モデルながら、マツダにだって意地がある。下を見て3年間は日本で発売されることはないだろう。

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