水素ロータリー・プレマシー

フロントビュー
3列目と荷室の半分くらいを水素タンクが占めるため、2列のみの5人乗りだが、スライドドアや広い5人乗りスペースはEVやFCV、ハイブリッドカーなどの次世代エコカーでは随一の広さと実用性といえるだろう
プレマシーにロータリーが搭載された。といっても新しいスポーツミニバンが誕生したわけではなく、水素ロータリーエンジンを積んだプレマシー・ハイドロジェンREハイブリッドだ。東京モーターショーでもお披露目されていたからご記憶の方も多いはず。5月末に岩谷産業に第1号車がリリースされた同社の最新モデルに少しだけ触れて、ほんのわずかだがハンドルを握る機会を得たので、報告したいと思う。ちなみにリース料は、月額42万円で法人が対象になる。

マツダは、RX-8ハイドロジェンREのリース販売をすでに2006年からスタートさせているが、今回は5人が無理なく乗れるプレマシーがその素材。どんなクルマか車名から想像はできるが、簡単にシステムをご紹介しよう。

水素ロータリーでしかもハイブリッド

インパネ
内装材とシートは、バイオ由来の素材であるバイオテックマテリアルを採用。現在はトウモロコシのデンプンから作っているが、食用にならないセルロースを代用として使えるように研究開発を推進しているという。触感や見た目は化石燃料の、従来のプラスチックと変わらないように見えた
マツダといえばロータリーエンジン。現在、世界で唯一搭載している自動車メーカーであり、同社のアイデンティティである。

プレマシー・ハイドロジェンREハイブリッドをご紹介する前に、燃料?を水素とする燃料電池車をおさらい。フューエルセルビークル、Fuel Cell Vehicle、FCVという呼び名でも呼ばれる。とても簡単に説明すると、水素と酸素を化学反応させ電気を発生させ、水のみを排出する。水素さえなんとかなれば、無害で温暖化の原因であるCO2とも無縁でいられる。モーターで駆動するため、内燃機関は積まない。爆発を繰り返す内燃機関を積まないため静かだが、大きく重い上にまだまだ高価なバッテリーやセル、スペースを食う水素タンクが必要なのが難点だ。一種のEV、電気自動車でもある。

一方のプレマシー・ハイドロジェンREハイブリッドの場合、水素ロータリーに発電機であるジェネレーターを組み合わせている。エンジンを発電機として使いモーターを駆動して走るのが特徴なので、エンジンが回れば無音ではない。水素ロータリーエンジンの動力で発電するジェネレーターを搭載するが、何せエンジンを積むで、ガソリンでの走行もできるのが強み。水素が補給できなければガソリンに任意で切替ができるから、航続距離への不安は基本的にはない。なお、水素では200km走れて出力も40%向上している。エンジンは異なるが、BMWのハイドロジェン7シリーズも水素とガソリンの切替が可能だが、ロータリーの利点は後述する。

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