輸入車/注目の輸入車試乗レポート

輸入スポーツカーの選び方 自動車評論家が徹底比較(6ページ目)

クラシックスポーツに注目が集まり、国産からもロードスターやS660と“威勢のいい”クルマが登場するに及んで、近年にない活況を見せ始めているスポーツカー。今回は身近で実用的なハッチと2シーターの本格モデルからオススメを紹介します。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

12気筒自然吸気大排気量エンジンを積むウルトラスポーツ

ランボルギーニアヴェンタドール

100%新設計された、ランボルギーニのフラッグシップモデルがアヴェンタドール。700psの6.5L V12エンジンにシングルクラッチの7速ISRトランスミッションを組み合わせる。価格はクーペが4317.3万円、ロードスターが4793.472万円

最後に、スポーツカーハウスの屋上屋を重ねておこうか。もはや天然記念物指定、絶滅寸前の12気筒自然吸気大排気量エンジン搭載モデルの2シータースポーツカーである。

ランボルギーニアヴェンタドールは、その化石的エンジンをミドに積むという点で、唯一無二の存在だ。それゆえ、もはや比較対象にすべきモデルも他になく、孤高である。ゆえに、ベストであるか否かといった議論も事実上、不可能だ。

カーボンモノコックキャビンの採用で、パフォーマンスレベルは以前のムルシエラゴに比べ段違いに上がった。ランボルギーニらしいスタイリングも健在で、スーパーカー好きには堪らないモチーフが随所に散りばめられている。高速域でのパフォーマンスは圧倒的。チカラ(パワー)もあってワザ(空力や電子制御)もある。5000万円以下で買える最強モデルである。
フェラーリF12ベルリネッタ

ブランド史上、最もパワフルでハイパフォーマンスなロードゴーイングフェラーリと謳われる、フラッグシップのF12ベルリネッタ。740psの6.3L V12エンジンを搭載、価格は3730万円

いかついスーパーカールックスが苦手、という人には、FR2シーターのフェラーリF12アストンマーティンヴァンキッシュがある。前者のパフォーマンスは、ときにアヴェンタドールを上回るほどで、加速、サウンド、ハンドリング全てに渡って世界一級レベル。ある意味、このクラスのベストチョイスと言っていい。
アストンマーティンヴァンキッシュ

フラッグシップとなるラグジュアリースポーツ、アストンマーティン ヴァンキッシュ。伝統を継承しつつ、One-77のテイストを取り入れた流麗なスタイルをもつ。573psの6L V12エンジンを搭載、価格はクーペが3239.46万円、ヴォランテ(オープン)が3472.74万円

もう少し、ジェントルな性能でよければ、ヴァンキッシュだ。派手すぎず大人し過ぎず、雰囲気の落としどころの品の良さと本物マテリアルが生み出す質感の高さは、イタリアのスーパーカーには決して真似できない種類のもの。賞味期限の長い、長く付き合えるクルマといっていい。

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