材木座海岸~青い海を見晴らして
飯島バス停を下りたら、バスの進行方向に3分ほど歩くと、海に到着します。青い、のびやかな海原を見渡して深呼吸。心地よく頬をなでる潮風。ここは材木座の海岸です。大潮の日の干潮時なら、海上に、たくさんの丸石が積み重なった島のようなものが見えるかもしれません。これは鎌倉時代の港の跡の和賀江島(わがえじま)。鎌倉時代、ここに材木を積んだ船がたくさん行き来していたことから、この辺りが材木座と呼ばれるようになったといわれています。
光明寺~ハスの花咲く海辺のお寺
海を後にして飯島バス停に戻り、さらにそのまま進んでいきましょう。5分ほどで、光明寺に到着します。堂々とした、大きな境内。壮麗な山門は、間口約16m、奥行約7m、高さ約20mで、市内最大の木造の二重門です。
2階の中央に掲げられた「天照山」の額は、室町時代の永享8年(1436)、後花園天皇が書いたものといい、額の大きさだけでたたみ一畳分あるそう。開山の良忠上人が天照大神を感得した(感じ取った)ことから、山号を天照山といいます。
3月下旬ごろの「観桜会」には、山門に登らせていただくことができ、サクラ咲く境内を上から眺められるんですよ。
光明寺は、浄土宗の大本山。歴代執権に敬われ、学問修業の道場として全国から多くの僧侶が集まって、関東における念仏修業の根本道場となってきたお寺です。
靴を脱いで、大殿(本堂)に上がりお参りを。間口、奥行きともに25mで、鎌倉最大の木造建築です。広々とした畳敷きの大広間。
壮麗な装飾の内陣は、浄土世界を表したような華やかさがあります。ご本尊は、阿弥陀三尊像。座って手を合わせ、海風が吹き抜けるお堂で過ごすうち、心もゆったりしてきます。
本堂から出て、回廊から、ハスの花咲く池を眺めて。
記主庭園に咲くハスは、「錦蕊蓮(きんずいれん)」。少し小ぶりの、かわいらしい桃色の花です。例年、見ごろは7月中旬以降。大賀博士が約2000年前の種を発見し発芽させたという、古代ハスも植えられています。水面を渡る風が心地よく、暑さを忘れるひととき。光明寺は、かつて佐助ヶ谷にあった蓮華寺をここに移し、改称したお寺で、ハスはゆかりの花です。
泥の中から清らかな花を咲かせることから、仏教では、ハスは清浄さを表すものとして大切にされています。仏像も、ハスの花をかたどった「蓮台(れんだい)」に乗っていることが多いですよね。7月下旬ごろには観蓮会(有料)が開かれ、ハスを眺めつつ、風雅にお抹茶をいただくことができます。
池のほとりで心洗われるひとときを過ごし、光明寺を後にしましょう。
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■光明寺
住所:神奈川県鎌倉市材木座6-17-19
TEL:0467-22-0603
ホームページ:http://komyoji-kamakura.or.jp/
門を出て右手に道なりにまっすぐ進むと、地元のお魚を売る魚屋さんがあります。シラスや干物など、海の幸をお土産にどうぞ。
材木座バス停からバスに乗り、鎌倉駅に戻りましょう。夏の涼を味わう、鎌倉散策。こもれびの参道や海、涼風渡るハス池を訪れるうち、夏を乗り切るパワーがいただけそうですね。