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みんなどうしてイカに夢中? スプラトゥーン(2ページ目)

今、巷のゲーマーの間では、イカの話題でもちきりです。任天堂がWii U専用タイトルとして2015年5月28日に発売する「スプラトゥーン」、これがちょっと変わったゲームで、イカたちが壁や床にインクを塗りまくって、どっちがたくさん塗れたかを競うシューティングゲームなのです。このゲームの何がそんなに楽しいのか、お伝えしてみたいと思います。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

ローラー!ローラー!ローラー!

ローラーの図

オラオラオラーと塗りつぶしていけます。敵の後ろから塗りつぶすのはやみつきになる快感です

スプラトゥーンには、大きく分けて3つの「ブキ」の種類があります。1つはマシンガンのようにインクを連射できる「シューター」、もう1つはボタンを長押ししてチャージすることでスナイパーライフルのように遠くを狙える「チャージャー」、そして最後になんと撃つことを主体としない、塗りつぶすブキ「ローラー」です。

それぞれ、特徴的で、扱ってみると違った面白さがあるのですが、特にスプラトゥーンというゲームを象徴しているのはローラーでしょう。何しろ銃じゃないです、そのままローラーですから。子どもの頃、図工の授業で版画なんかを作った時に使うローラー、あれのでっかいやつで地面をぐんぐん塗って進みます。そして敵がいればそのままローラーでひいて倒しちゃうわけです。

だから、狙わなくていいんです、敵の隙をついて、横から、後ろから、ジグザグに動いて的を絞らせない様にして正面から、突っ込んでいけばいいんです。もっと言えば、敵と戦わなくてもいいんです。ローラーはビターッと面で塗りつぶせますから、塗り能力が高いんですね。敵を倒さなくてもいいこのゲーム、敵から逃げて逃げて塗りまくるだけでも、活躍することができます。

シューティングゲームにおいて、大きなハードルの1つは「狙う」という行為です。これができなければ敵を倒せない、一方的にマトになるだけ、つまらない、という壁が初心者にはあります。でも、ローラーはそんなこと関係ないんです、狙わなくても戦えますし、戦わなくても活躍できます。

シューティングゲームは普段やらない、という人も、騙されたと思ってぜひローラーを体験して欲しいです。敵の色をローラーで塗りかえていくのは、格別の気持ちよさがあります。

圧倒的テンポ感

スプラトゥーンの図

ヒトで撃って、イカで動いて逃げてと、ヒトとイカを切りかえながら戦います

色を塗るというコンセプトや、ローラーのような目新しいブキに隠れがちですが、スプラトゥーンの面白さを支えているのは、テンポの良さでもあります。

まず、スプラトゥーンには何もしないという時間がほとんどないんですね。敵と遭遇していない時も、移動している時も、いつも塗っています。スタート直後はもちろん、常に塗り残しや塗り替えされた場所を探して塗りながらステージを走り回ります。

イカのアクションにも秘密が隠されています。スプラトゥーンはインクを撃つと、そのうちインク切れになるので、補充しなければいけません。どうやって補充するかというと、ガシャコンとリロードする…のではなく、イカになってインクに潜ることで補充できるんですね。

イカがインクに潜るアクションには、いくつもの意味があります。高速移動、インク補充、潜ることで緊急回避にもなります、イカとインクは同じ色をしているので、敵に見つかりにくくもなります、まさしく潜伏ですね。撃つ以外の戦術的アクションがイカに凝縮されるため、アクションのテンポ感は抜群です。

そこらじゅうを塗って陣地を広げながら進んでいたら、敵と遭遇、撃ってきたのでとっさにイカになって緊急回避、インクを補充しつつ急旋回して回り込み、敵に接近したところでヒトにもどって強襲、なんてアクションが簡単に可能です。

敵にやられるとどうなるのか、数秒間待たされた後に、自軍のスタート地点に戻されます。といっても、この間もボサッと待ってるわけではありません。手元のWii U GamePad(以下ゲームパッド)を確認するのがこのタイミング。

ゲームパッドにはステージ全体が見えるマップが表示されてます。マップを見ればどっちのチームがどこをどれだけ塗っているかが一目瞭然、優勢なのか、押し込まれているのか、塗ったはずのところがいつの間にか塗りかえされていたりも。ここで状況を把握して次の行動に繋げます。

マップにある味方のアイコンをタッチすれば、イカの姿でバビューンとスーパージャンプ! 味方のいる地点まで一気に跳ぶことができます。これがまた爽快なんです。スタート地点に戻されても、すぐに前線に復帰することができます。

アクションとアクションの隙間が色んな形で穴埋めされていて、常に目の前にやるべきことが提示されています。これがすごくテンポ感を良くしていて、対戦時間があっという間に過ぎてしまいます。

シンプルで、間口の広いゲームですが、しかしちょっと遊ぶと、その戦略性の深さにもすぐに気がつきます。
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