騙しのテクが最高のクラシックな名作
『猿の惑星』(1968年度作品)1年余りの宇宙飛行の最中、宇宙船はある惑星に不時着。そこは猿に支配された惑星で、乗組員のテイラー(チャールストン・ヘストン)は猿に捕えられてしまう……。
シリーズ化され、何度もリメイクもされているけれど、それらはすべて1968年版のこの『猿の惑星』が素晴らしかったからこそ。ラストシーンを見たときの絶望と恐怖は、悪夢を見てしまいそうなほどのショック効果あり。この惑星から、逃げたい、逃げたい、帰りたいと思う主人公の気持ちに寄り添えば寄り添うほど、ラストシーンの衝撃は大きいです。
監督:フランクリン・J・シャフナー 出演:チャールトン・ヘストン、キム・ハンター、ロディ・マクドウォールほか
『スティング』(1973年度作品)
1936年が舞台。詐欺師の男(ロバート・レッドフォード)が仲間を殺された復讐のために賭博師(ポール・ニューマン)と組んで復讐の大ペテンを成し遂げる物語。
詐欺師と賭博師が主人公なので、ラストだけでなく物語が二転三転していくどんでん返しの連続みたいな映画。そしてアッ驚くラストシーンもビックリはするけど、人を不幸に突き落す類ではありませんから、爽快! やられた感より、観客も彼等の仲間気分で、してやったり感を味わえるのがいい。レッドフォードとニューマンの相性も最高で、女性にとっては、いい男ふたりを鑑賞する楽しみもあります。
監督:ジョージ・ロイ・ヒル 出演:ロバート・レッドフォード、ポール・ニューマン、ロバート・ショウ、チャールズ・ダーニングほか
『情婦』(1957年度作品)
殺人事件の容疑者になった男(タイロン・パワー)が老齢の弁護士(チャールズ・ロートン)に弁護を依頼。しかし、裁判で検察側の証人である男の妻(マレーネ・ディートリッヒ)は夫に不利な証言をする……。
1957年とクラシックな作品ですが、今見てもまったく色あせず、ラストのどんでん返しの切れ味も最高! 愛と裏切りのドラマを本格ミステリーとして、これほど完璧に描いた作品はないかもしれません。名匠ビリー・ワイルダー監督はコメディも得意なので、何が起こったのか、どうなるのかという謎解きの中、弁護士と看護婦のやりとりなど、ときどきニヤっとさせてくれるのもうれしい。
監督:ビリー・ワイルダー 出演:タイロン・パワー、マレーネ・ディートリッヒ、チャールズ・ロートン、エルザ・ランチェスターほか
調べてみたら、どんでん返し映画ってほかにもたくさんあります。『ゲーム』『ファイト・クラブ』『アヒルと鴨のコインロッカー』『真実の行方』『マッチスティック・メン』『クライング・ゲーム』『エンゼル・ハート』『殺しのドレス』『運命じゃない人』『追いつめられて』『アザーズ』『ダークシティ』『トゥルーマン・ショー』など、いろいろ鑑賞して、楽しんでくださいね。