ヒップホップの歴史を学ぼう！未来のヒップホップ編(2ページ目)

ハイセンスなリリックが際立つ聡明なラマー

カリフォルニア州コンプトンで生まれ育ったケンドリック・ラマーは、17歳でインディーズのレーベルと契約。5枚のミックステープをリリースした後、2011年にiTunesでリリースしたアルバムが音楽業界で高い評価を得ます。翌年、ドクター・ドレーのレーベル、アフターマスと契約を結び、メジャーデビュー。アーティスティックで巧みな言葉を使ったリリックと、多種多様のスタイルで楽しませてくれるラマーのアルバムは、今後ヒップホップの歴史上に残るマスターピースとなっていくでしょう。

Kendrick Lamar “King Kunta”

ファッションセンスも見逃せない、オシャレなロッキー

NYはハーレム出身のエイサップ・ロッキー。8歳から兄の影響でラップを始めますが、10代の最初の頃に父と兄を亡くし、音楽と真剣に向き合うようになります。2007年にA$AP Mobというラッパーやデザイナー、アーティストなどが集まるクルーに入り、2011年に出したミックステープが業界で高い評価を受け、ソニーと3億円の契約を結んだことが話題に。ストリートブランドとハイブランドを上手くミックスするロッキーのファッションセンスも注目されていて、クルーで展開しているブランドではクリスチャン・ディオールのデザイナー、ラフ・シモンズともコラボしました。

A$AP Rocky “Fashion Killa"

ハングリーさを武器に挑み続けるイギー

オーストラリアで生まれ育ったイギー・アゼリアは、14歳でラップを始め、16歳の時にラッパーになるためにアメリカに渡ります。2011年にミックステープをリリースし、翌年にT.I.のレーベル、グランド・ハッスルと契約。その後アイランド・デフジャムと契約し、2014年に待望のデビューアルバムをリリースしました。ヒップホップ界で女性であることのハンデをものともせず、戦い続ける美女、イギー。今年の9月から予定されている北米でのアリーナツアーではどんな世界観を見せてくれるのか、とても楽しみです。

Britney Spears, Iggy Azalea “Pretty Girls”

ヒップホップの黄金時代を彷彿させる次世代ラッパー、ジョーイ

Joey Bada$$

Pro Eraというヒップホップグループのリーダーでもあるジョーイ・バッドアスはNYのブルックリン育ち。小さい頃から詩や曲を書いていて、15歳の時にYouTubeにアップした自身のフリースタイルがシネマティックというインディーズレーベルの社長の目に留まり、契約を結びます。2枚のミックステープを出した後、今年の1月に“B4.DA.A$$”でデビュー。90年代ヒップホップを彷彿とさせるスタイルを持つジョーイ、2015年7月のフジロックで初来日が決定していたりと、これからの活躍が大いに期待出来るヒップホップ界の若きホープです。

Joey Bada$$ “Like Me” ft. BJ the Chicago Kid

以上、未来の活躍が大いに期待出来る若手アーティスト８組を挙げてみました。彼らはメジャーと契約しても、クリエイティブコントロールは自分で持ち、目指すゴールがぶれることなく、賢く落ち着いている印象を受けます。それはきっと失敗含め、成功を経験してきた先人アーティスト達から見て学んだことが上手く反映されているからだと思います。

音楽やMV、デザインなどの制作から発信まで、自分たちで全部出来てしまう時代ですが、溢れるものの中から輝き続けられるのはいつの時代も才能と運、情熱を持ったアーティスト達なのでしょう。

次回は最近流行りのスラングについてです。お楽しみに！