社内報の記事、担当者が集めるか、組織で集めるか
ナナ総合コミュニケーション研究所で2年に一度発行している『社内報白書』によ社内報担当者はカメラ片手に現場をぶらぶらすること
社内報に掲載する記事は、机に座って待っていてもなかなか集まりません。社内報担当者が自ら現場に足を運び集めなければなりません。カメラ片手に現場をぶらぶらすることで、社内報担当者であると知られることにもなり、あの人に連絡すれば良いのだ、というPRにもなります。
先に記した社内報担当者の悩みのうち、記事が集まらない、取材に協力してもらえない、というものの原因は、社内報担当者が社内報担当者として知られていないことが大きな要因です。誰とも知らない人から記事を頼まれたり、取材を依頼されたとしても、快く応対するでしょうか?
良く知った人からの依頼であれば、「彼から頼まれたら、しょうがないな。協力するか」ということになる可能性があります。ですから、現場に出向くことは、自らが社内報担当者であると知られるとともに、協力される土壌作りでもあるわけです。
しかし、拠点が全国に散らばっている、社内報編集のみならず社外広報やIRなど、他の業務も兼務していることで時間が取れず、自ら現場に足を運ぶのが難しい場合もあると思います。そのような場合は、社内報に関する組織を構築して補います。今回は、社内報の組織である、通信員制度、編集員制度、モニター制度について紹介します。
企画立案、編集実作業まで依頼する、編集委員制度
まずは編集委員制度。これは、社内報担当者と同程度の役割を依頼する組織です。パターンとしては、■ 社内報編集担当から提示された企画原案の審議・承認機関となるケース
■ 編集委員メンバーが企画案を持ち寄って、企画をまとめていくケース
■ 取材・原稿作成・レイアウトなどの編集実務そのものを分担するケース
があります。
多くは、社内報の企画会議に出席して、各部門の代表として、関連する企画の提案、提示された企画案を当該部門として、どのように料理していくかを考える役割となります。部門の責任者や管理職が中心となることもあります。編集委員の人選は、企画立案が絡んできますので、問題意識が旺盛な人、前向きな人、ひらめきがある人が望ましいでしょう。
また、社内報の特定頁を受け持ち、実際に企画立案、編集業務をする場合もありますので、編集作業に通じているとスムーズに進みます。あるいは、特集そのものを編集委員が持ち回りで担当するということもあります。このような編集実作業を担当する場合は、社内報担当者はアドバイスや、進行管理を担うことになります。
企画立案に絡む場合は、社内報担当者も交えて、十数人が関係しますので、各部門を代表する立場がゆえに、企画がなかなかまとまらない、という場合もあります。ですから、企画に関係する部分については、意見を言ってもらいますが、最終判断、企画の取りまとめは社内報担当者に一任してもらっておいた方がスムーズでしょう。船頭多くて船進まず、という事態に陥る可能性もありますので、注意が必要です。