決めてほしい企業と決められない就活生の攻防
就職活動が長期化していることもあり、オワハラという言葉がよく聞かれるようになりました。オワハラというのは就活を終わることを迫るというのが語源で、就活終了を条件に内定を出すということを指します。ほかにも大手企業が一斉に面接を開始するタイミングにハワイ旅行に連れていく、飲食店で社員が入れ代わり立ち代わり登場して拘束するなど他の企業の選考を受けられないようにするということも行われています。
内定をもらっても就活は終われない?
内定を辞退されたらまた採用すればいいという意見もあるかもしれませんが、就職活動のピークを過ぎてからの採用は会社としての労力もコストもかかる割に効率が悪く負担が大きくなります。だからこそ、入社を決めた学生に内定を出したいということになるのです。
就職活動生と企業の間に立ってきたガイドは、この両者の折り合わない状況に何度も遭遇していますが、オワハラを代表する内定段階のコミュニケーションは、企業側だけの問題とするのではなく就活生側の対応でも改善できる点があると感じます。そこで今回は、内定段階での就活生の側から企業への対応やコミュニケーションについてお伝えしたいと思います。
その場しのぎのコミュニケーションは誰も幸せにならない
とりあえず内定が欲しいから、どんな会社でも第一志望だと言って内定を取っていくというのは、自分は認められた気がして快感かもしれません。しかし、それは入社しない会社からするととても迷惑な行為になります。2つ以上内定が出たら、優先順位は決まってくるはずです。体は一つしかないのですから、全ての内定が出そろうのを待たずに入社しないと決まった会社から辞退するのが誠実な対応です。あなたの判断が早いほど、会社も他の人に対する採用活動ができます。
また、就活をやめないのに就活をやめるとその場しのぎで嘘をつくことも、誰も幸せになりません。就活をやめたという前提で企業が研修やイベントに誘ってきた時に、選考が重なって断っていたら薄々ばれてしまいますし、その結果他社に行くことになって内定を辞退する時には信頼を裏切ることになります。どこまで率直に伝えるかは考えるとしても、状況を隠していい顔をすることは後々自分を苦しめることになってしまいます。
では、就活生からは企業にどのような対応ができるでしょうか。