貰い手の立場に立ったアイテムを用意。
街宣活動に力を入れている<ANSIA>
ANSIA
ANSIAソロフライヤー
だがソロのフライヤーでは、相手の顔がよく見えない暗闇であろうと、相手がすっぴんであろうと、あとでどのメンバーから受け取ったかわからなくなる、ということもないだろう。また、そこにバンドホームページのURLだけでなく、個人のブログのURLを記載するなど、より個人に関する情報を盛り込める利点がある。
他にソロのフライヤーには、一枚手に入れることで、他のメンバーについても気になり始めるのではないか、という狙いも込められているとのこと。また、ビラ配りは主に、自分たちを知らない人へ働きかける活動ではあるが、好きなメンバーの大きくプリントされているフライヤーは、すでに彼らを応援しているファンにも喜ばれるものだろう。
街宣活動に力を入れているANSIAは他に、ティッシュ配りも行なっている。配る側にとってポケットティッシュには、受け取ってもらいやすく捨てられない、という一番のメリットを兼ね備えているという。そして、ひとつのティッシュにつき6枚のちり紙が入っているため、使用するたびに、つまり計6回も目にすればバンド名を覚えてもらえるだろう、という思惑も。街宣活動は配ることで自己満足に終わるやすいものだが、こうした小さな知恵の積み重ねはやがて無視することのできない力となるだろう。
タブーをもエンターテイメントに変える
異色のフライヤー<マリアと繋がりギャ>
ライブ後に受け取ったフライヤーに目を通していると、たまたまかもしれないが、<マリアと繋がりギャ>というユニットのものがかなりの高頻度で挟まっている。彼らはマリア様とその繋がりギャである仔マリアのふたりからなるヴィジュアル系ユニット。普段、表では触れられることのないバンドとファンに関するタブーがユニット名にも表現されているように、そのインパクトは強烈だ。マリアと繋がりギャ最新フライヤー
「実際に連絡をしてみたらどうなるのだろう……?」という好奇心を掻き立てられるものだが、あくまでも、ファンメール同様、気軽にファンと交流できる場を設けたいというクリーンな思いからなされたもの。実際、連絡先を通してその日のライブの感想が送られてくるようで、それが毎回とても楽しみという。
フライヤーひとつにも、彼らのステージングに繋がるエンターテイメント性がそのまま溢れているのが面白い。ちなみに余談だが、繋がりギャである仔マリアさんはマリア様の実の奥さまというのも他のヴィジュアル系バンドと大きく異なる特徴だ。
>>最後に、人気バンドに学ぶ手間と工夫を紹介