手作りの月刊誌の発行を続け、遂に60号を突破<えんそく>
えんそく
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えんそく>は、ネットの拡散力を活かし、フライヤーの元データとなるJPEG画像をTwitter等に挙げ周知させている。それをwebフライヤーと呼び、web上でもフライヤーの公開を行なっている。
えんそく最新フライヤー
また、フライヤーとは少々異なる性質ではあるが同じ紙媒体として、Ba.ミドを編集長としたバンドの発行するフリーペーパー『まほろば』がある。通常のフライヤーにはリリース情報等が記載されているのに対し、まほろばは、Gt.クラオカユウスケのギター講座、Gt.Joeのなぞかけ、Vo.ぶう,Ba.ミドの画伯といった、各メンバーによる手書きのコラム掲載されおりファンに人気。毎月発行され、会場の物販で商品を購入すると1部手に入れることができる。
まほろば
当初は、物販購入を促す目的の他、月間の書き物をやりたいというメンバーの動機から始めたものだったが、初刊から今年で5年を迎え、現在では60号を突破。
PVやその他の広告費などに膨大な金額を費やすのではなく、主に対バンライブにて動員をつけている真のライブバンドという印象の強くある彼ら。物販の購入や動員の拡大を目論むにあたって、まず自分たち自身から動き、発信していこうという彼らのポリシーがこんなところにも垣間見られる。
たった一枚のフライヤーも宝物に<カメレオ>
カメレオ
ライブ中に告知された最新情報の記載されたフライヤーを、ライブハウス出口でスタッフより配られることも多い。
フライヤーにはバンドの名刺となる役割の他に、即時性、情報解禁、情報のリマインドといった面も持つ。
カメレオメンバーによるサイン入りフライヤー
終演後に配られたフライヤーの中で一番驚いたのは、昨年『会いに行くバンドマンツアー』にて全国を周っていた<
カメレオ>のものだ。多大な人気を博し、多忙を極める彼らだが、そこにはもれなくメンバー全員の直筆のサインが入っていた。ツアー中の全公演でサインを続け、およそ1万枚にサインをしていたという。
フライヤーという紙一枚でも、ファンにとっては大きな宝物となったことだろう。ここにもぬかりなくファンを喜ばせるアイディアを詰め込むところにさすがの人気を感じる。
フライヤーなどといった紙媒体の制作、配布は、SNSといったツールの発達する中で、実に地道な活動に思える。実際、フライヤーに関する創意工夫が、どれだけの動員の増加を呼ぶか測ることは難しい上に、それは決して効率のいい活動とは言えない。だが、それをチャンスと捉えるか、そこにどんな知恵を詰め込むかによってバンドの行く末も変わってくるのかもしれない。