マンション物件選びのポイント/マンションの内装・設備・向き

西向きリビングに大開口がある住戸の注意点(2ページ目)

今では新築分譲マンションの約7割で窓に複層ガラスが使用されるようになりました。最近ではさらに断熱性の高いLow-E複層ガラスを使用するマンションも。特に西向きに大きな窓がある住戸では窓の性能に注意が必要です。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド


最近のマンションの傾向

タワーマンションには様々な方位の住戸がある

タワーマンションには様々な方位の住戸がある

一般的な外廊下型マンションでは南向きや東向き住戸がメインとなりますが、最近人気のタワーマンションや高層大規模マンションでは、東西南北どの向きの住戸もあり、間取りもバリエーションが豊富な傾向がみられます。

共用施設が充実し、利便性のよい立地に建つそのようなマンションは人気が高く、比較的購入しやすい低層階や西・北向き住戸でもニーズがあります。家族構成やライフスタイルも多種多様になっている中で、方位にこだわる人が少なくなっていることもあるかもしれません。

西向き住戸の注意点

マンションの高層階では周囲になにも遮るものがなく、西向き住戸で大きな窓がある場合、西日対策が気になるところです。窓の上に庇がある程度出ていたとしても、高度が低い西日は夕方になると部屋の奥まで差し込んでくるでしょう。

もし夏でも比較的寒冷な地域であれば、その西日は貴重な日射となりますが、暖かい地域では夏の暑さ対策が必要です。その場合、西日の入る窓には複層ガラスであることはもちろん、より遮熱性を高めたLow-E複層ガラスが使われていることが望ましいでしょう。前ページで解説したように、遮熱型のLow-E複層ガラスなら夏の暑い西日をカットしてくれます。

その他の西日対策

マンションの外観デザイン上、窓ガラスが連続したカーテンウォールになっていたり、窓ガラスの上に日射を防ぐ庇が全くついていない住戸もあります。窓の大きさやその他の条件によって、もし複層ガラスまたはLow-E複層ガラスが入っていたとしても、西日対策は万全ではないかもしれません。

そういう時は、いかに通風が取りやすい間取りになっているかが大切なポイントです。自然通風は夏の室内の暑さを和らげます。風の入り口と出口になる窓があれば、室内をよい風が流れていくはずです。

以上のように、西向き住戸を購入する際は、窓の性能と自然通風が得られやすい間取りかどうかをチェックしましょう。また遮熱性能のあるカーテンやブラインドも併用して西日対策をしましょう。

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