5月18日『アラジン』作曲家アラン・メンケン合同インタビュー レポート

アラン・メンケンさん(C)Marino Matsushima

アラン・メンケンさん(C)Marino Matsushima

5月24日の開幕まで1週間をきった『アラジン』。汐留界隈には挿入曲が鳴り響き、否が応にも期待が高まりますが、そんななかで18日、開幕を見届けようと来日した作曲家アラン・メンケンが舞台稽古を見学。その直後、四季劇場「海」のロビーにて報道陣の合同インタビューに応じました。日本版を観た彼の率直な感想は、そして彼の本作への思いとは?(質問はアトランダムに各社からなされたものです)

――まずは劇団四季版の舞台稽古をご覧になった感想を教えてください。

圧倒されましたよ!とても美しいし、これまでも日本では自分の関わった作品をたくさん見ていますが、その中でもどきどきわくわくしたし、日本にぴったりな作品だと思えます。とても満足しています。

――どのあたりが「日本にぴったり」だと?

直感のレベルですが、作品をとても自然に消化しているという印象があります。

――アニメ版の曲に加え、舞台版では新曲を書いていらっしゃいますが、どのような効果をあげていると思いますか?

アニメ版には(名曲「ホール・ニュー・ワールド」のほか)導入の「アラビアン・ナイト」など5曲があり、それらはすべて使っていますが、「アラビアン~」は登場人物紹介の意図もあり、かなり長くしています。またアニメ版のために書いたけれど当時はカットされた3曲「自慢の息子」等を復活し、今回新たに脚本家のチャド・ベグリンとともに「壁の向こうへ」「行こうよどこまでも」など4曲の新曲を書き下ろしました。本作に限りませんが、アニメを舞台化するにあたっては、アニメでは入れられなかった要素を入れることができます。アラジンの仲間や母を思うバラード曲を足すことができたし、ビング・クロスビー風だとか、音楽スタイル面でも新しい要素が加わっています。

――今回、日本版ならではのアレンジがなされているそうですが、気づかれましたか?

どの作品にも、ユーモアに関する部分はその国の文化が反映され、とりわけ本作はユーモラスな部分が大きいのですが、今日稽古を拝見したら、客席の皆さんはブロードウェイ版と同じ箇所で笑っていました。日米の(お笑いの)違いをうまく処理しているようです。

――本作はどのように舞台化されたのでしょう?

遅々たる歩みでした。まずは『アラジン・ジュニア』という学校上演用の作品があり、それをブロードウェイ上演用の舞台へと進化させたのです。このアイディアを最初に聞いたのは6~7年前のことですが、聞いてすぐに「(作詞家の)アシュマンは既になくなってしまったけれど、これまでに彼と作りためた曲の宝箱があるから、その中身をできるだけ生かそう」と思いました。

――今日ご覧になって、気になった出演者はいらっしゃいますか?

答えづらい質問ですね(笑)。みんな光っていらっしゃいますよ。僕らは作品の外枠を作る担当で、キャストはその中で生きる担当。その中で、彼らは理想通り、僕らが作った時の思いを受け止めて生きてくれています。

また、質問されてはいませんが、本作の成功の理由の一つは、ケイシー・ニコロウという今、ブロードウェイで最も勢いのある演出家を起用した点ではないでしょうか。今、ブロードウェイでは彼の演出作品が3本もかかっていますが、彼はとりわけコメディのセンスが非常に素晴らしいのですよ。その彼にとって、今回の日本版はたくさんの作品を演出しているにも関わらず、英語以外で上演されているのを観た初めての自作品だそうです。彼も今日、日本版を初めて観たので、(彼にとってそのような記念すべきタイミングに)一緒に観劇できて感無量ですね。

――本作の魅力とは。そして中東が舞台であることへの思いは?

自分の身の丈を超えようとする物語、ミステリアスで時空を超えたストーリー。身寄りのない若者が大きな野望を持って突き進むという、ある種古典的な魅力を持つ作品だと思います。

また僕らは、どの文化圏を扱うにしても、配慮を欠いてはいけないと思っています。今回は中東が舞台で、その文化ならではの面白さは活かしつつ、繊細さを持って取り組んだつもりです。
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観劇の興奮さめやらぬ状態で、終始大きな声で応じたアラン。彼の様子からも、舞台の完成度が容易に想像できます。開幕まで、もう一つ取材レポートをお届けできるかもしれません。引き続きお楽しみに! (アランの『リトル・マーメイド』開幕時の合同インタビューはこちら