4月28日稽古&スタッフ、キャスト取材会レポート
『アラジン』リハーサル(C) Marino Matsushima
同名のディズニー・アニメを舞台化し、ブロードウェイで今、最もホットなミュージカルの一つである『アラジン』。劇団四季が上演する日本版は5月24日、ブロードウェイ以外では初の公演として開幕します。手に汗握るオーディションから5か月が経ち、その間に売り出されたチケットは初日販売枚数記録を更新。現在はオリジナル・スタッフのもと、白熱した稽古が展開中。4月28日、あざみ野の稽古場では公開稽古とスタッフ、メイン・キャストの合同インタビュー取材会が行われました。
生き生きとした“絢爛豪華さ”が感じられる幕開けの稽古
稽古は朝10時スタート。その少し前に到着すると、俳優たちはマイク・チェックをしたりストレッチをしたり、段取りを確認しながら談笑したり。定刻になるとオーディションでもリーダー的役割を担っていた本作の演出補、スコット・テイラーさんがメディア席に「(本作の舞台である)アグラバーへようこそ」とにこやかに声をかけ、稽古がスタート。「安全上の理由で」とダンス・スーパーバイザーのマイケルさんが見守る中で特に動きのダイナミックな振り部分をさらい、まずは幕開けのビッグナンバー「アラビアン・ナイト」を披露します。
『アラジン』リハーサル(C) Marino Matsushima
中心に立つのはランプの精ジーニー役候補の一人、道口瑞之さん。わくわくするような序奏が始まると、(オリジナル・スタッフが声をかけやすいよう)「MITZ」というゼッケンをつけた彼はふっと息を吸い込み、「サラ~ム!」と、観客をおとぎ話の世界へといざないます。「アグラバー(の町)へは初めて?それではわたくしがご案内いたしますぞ。ついておいで!」
『アラジン』リハーサル(C) Marino Matsushima
アクロバットも取り入れた華やかな振りで次々と登場する人々の中には、「王位を狙う悪いやつら」もいれば「無一文のお兄ちゃん」「真実の愛のためにすべてを捨てる王女様」の姿も。大勢が登場し、音楽もゴージャスで厚みがあるため、よほどの声と存在感がなければかき消されてしまう危険もありそうなジーニーですが、ビンと張りのある声で物語の輪郭を語る道口さん、抜群の安定感です。
『アラジン』リハーサル(C) Marino Matsushima
しかしスコットの求めるレベルはさらに高く、「これからものすごく面白いお話を見せますよ!という雰囲気をもっともっと出して」とリクエスト。マイケルからもディテールにチェックが入り、もう一度。全体的にテンションがさらに上がり、メディア席からは自然に大喝采が起きました。まだ衣裳もセットもない状態ながら、幻惑的な幕開けになることが容易に予想されます。
続いては「バブカック、オマール、アラジン、カシーム」。アラジンと3人の盗賊仲間が町なかで歌い踊るコミカル・ナンバーです。楽器なども扱いながら4人一列となり、やんちゃに歌う様は息がぴったり。一緒にいる時間の多い「劇団」の良さが滲み出ています。このナンバー、オーディションではバブカックたちの課題曲で、取材するこちらもはらはらどきどき、緊張しながら何度も聴いていましたが、本来はこんなに楽しく、また動きの多いナンバーだったのだなあと、たった数か月前のことが懐かしく思い出されました。
『アラジン』リハーサル(C) Marino Matsushima
*次頁で来日スタッフ&メインキャスト6名の合同インタビューの模様をお伝えします!