私はお姫様に憧れたことがないのよ
――『シンデレラ』の依頼がきたとき、どんな気持ちでしたか?
サンディ プロモーションなのにこんなこと言っちゃいけないのかもしれないけど(笑)、私は幼いときからプリンセスに憧れるような子供じゃなかったの。そんなにディズニー映画も見ていた方ではなくて、特別な思い入れがあるかと言われたらないのよ(笑)。もちろん「シンデレラ」のお話しは有名だもの、知っていたわよ。でも子供の頃に憧れはなくても、シンデレラの衣装を作るという仕事には情熱をかきたてられたわ。憧れと仕事は別ものよ。
――苦労した点はどこでしょう。
サンディ やはり舞踏会のドレスはプレッシャーがあったわ。なぜならみんながあのシーンに期待していると感じていたから。仕上げるのが怖いとさえ思ったくらいよ。あと私はガラスの靴も作ったの。シンデレラの象徴的アイテムであるガラスの靴を作れたのは良かったわ。ガラスで靴を作り上げるにはどうしたらいいか……ということが経験できたのですから。靴は本来、美術小道具さんの仕事なので、大きなチャレンジでした。
――映画が出来上がってご覧になった感想は?
サンディ 大好きな映画よ。とにかくホっとしたわ。作業しているときは目の前のことに懸命で映画のヴィジュアルの仕上がりをイメージすることはほとんどないの。もうそれどころじゃないっていうか、客観的に映画のことを考えられなくなってしまうのです。でも映画を見たら素晴らしくて、本当に良かったと思ったわ。
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