日々のニュースを追えば、「仕事に活かせる資格」の最新動向が見えてきます。
毎月、先月までに発表されたニュースの中から今後の動向が気になるトピックスを厳選してお届け。今回は2015年2、3月分です。

【今回注目したニュースはこれ!】

延期はこれで3度目!「介護福祉士」の試験義務化見送りへ

いわゆる団塊の世代のすべてが75歳以上を迎える2025年。
この頃には、後期高齢者も2000万人を突破、要介護高齢者の増大も見込まれています。これに対応するためには、一説には約100万人の介護人材の増員が必要とも言われています。

こうした中、介護人材確保などについて具体的方策を検討してきた厚生労働省の諮問機関(社会保障審議会)が、「2025年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環の確立に向けて~」を発表、来年度からの国家試験義務化が検討されていた「介護福祉士」資格制度改革の先送りなどが提案されました。

1987年に誕生した社会福祉の国家資格「介護福祉士」は、介護実務の専門家資格であり、名称独占資格で、現在は福祉系大学や専門学校卒業要件をクリアすれば取得が可能です。
2016年度からは国家試験合格を義務づける予定でしたが、今回これを2022年度まで先送りするということです。報道によれば、与党内には義務化不要論もあり、今後の見通しには不透明な部分も多いようです。

そもそも「介護福祉士」資格制度の変更が最初に取りざたされたのは2005年のこと。
厚労省から「介護福祉士を介護職の基本要件とする」考えが示され、その後、当時介護職を目指す人にとっては身近な資格であった「ホームヘルパー3級」の廃止や、それに代わる位置づけとなる「介護職員基礎研修」の開始と、介護職を巡る大きな変革が続きました。

さらにその後も、現行の「介護職員初任者研修」の研修時間を短縮するか、より研修時間の短い新資格を創設する案が挙がったり、経済連携協定(EPA)対象国であるフィリピン、インドネシア、ベトナムから介護分野への外国人受け入れ案の浮上、はたまた、50万人もいると言われている「介護福祉士」などの資格を持ちながら何らかの理由で職場を離れ、今は介護分野で働いていないという人たち向けの「登録」制度案も持ちあがっています。

ところで、「介護福祉士」の国家試験義務化の施行延長ですが、実は今回で3回目。
介護職を巡る変革の狙いは、介護人材確保と介護サービスの質向上にありますが、人材養成の裾野を広げつつ、専門職としてのスキルも高めるという2つの命題を同時にクリアするための方策は、まだまだ試行錯誤のようです。
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