売り出し中の一戸建て住宅

家は一生のうちでも大きな買い物、それを売るのも一大事!

家を買換えてもっと広いところに住みたい、もっと便利なところに住みたい、違う街に住みたい、親の近くに住みたい、家を売って事業資金に充てたい、相続した土地が余っているので売りたい……。

その動機はさまざまでしょうが、あなたが持っている一戸建て住宅や土地、あるいはマンションを売ったり買換えたりしようとするとき、いったいどのような準備をし、そしてどのような点に注意をするべきなのでしょうか?

今回はあなたが不動産を売り出す前(不動産業者に売却を依頼する前)にぜひ知っておきたい、いくつかのポイントをまとめてみました。


不動産の「売主」としての心構え

いきなり堅苦しい話になってしまいますが、まずはあなたが売主となる際の心構えについて考えてみましょう。

いま所有している家や土地は親から相続したもので、「不動産の売買契約をした経験がない」という人もいらっしゃるでしょうが、多くの人は新築物件または中古物件として購入し、過去に自分自身が買主だった経験があるはずです。

まずはそのときのことを思い出してみてください。

新築物件を不動産業者から購入したか、あるいは中古物件を個人から購入したかなどの違いはあるにしても、あなたが買主だったときには、売主に対して「誠実な売主であること」「問題があれば責任を持ってくれる売主であること」などを求めたのではないでしょうか。

あなたが売主になるということは、今度は立場が入れ替わってあなた自身が誠実であること、責任があること、正直であること、さらには段取りが的確であること、取引が確実であることなどが求められるのです。

そのようなことは言われなくても当然だと感じるかもしれません。

しかし、家の不具合などの問題、隣地との敷地境界の問題、構造物などの越境の問題、擁壁の問題、隣人トラブル、家の中で起きた事件のこと、あるいはマンションの他の区分所有者との間で起きている問題など、本来であれば買主に対して告知しなければならないことについて、知らないふりで済ませようとする売主も少なからずいます。

売買を媒介する不動産業者がそれに気がつけば、重要事項として買主に説明をするのですが、売主が言わないかぎり不動産業者が気付かないような問題も少なくありません。

家の購入希望者が現れ、そのまま契約をすれば○千万円が手に入る。でも、これを言ったら目の前の○千万円がゼロになってしまうかもしれない……。

そのように悩んで躊躇してしまう場面があるかもしれませんが、嘘をついて、あるいは大事なことを黙ったままで契約をすれば、すぐに発覚して大きな竹箆返し(しっぺいがえし、しっぺがえし)を受けると考えたほうがよいでしょう。

問題の大きさによっては契約解除や違約金、損害賠償を求められることにもなりかねません。

不動産業者が売主の場合に比べれば、個人である売主の責任が大きく問われるケースは少ないとはいえ、古本や古着、中古車などを売るのとはまったく違います。

売ったお金が手元に残るか残らないか、利益があるか損失があるかといったことは別にして、数千万円の「商品」の売主としての自覚が求められるのです。もちろん、何ら問題点のないクリアな物件なら、あまり深く考える必要もないのですが……。


マイホームを売るのが先か、買うのが先か

単純に手持ちの不動産を売却するだけであればあまり問題になりませんが、マイホームを買換えるときには、売却と購入のどちらを先にするのかという方針(予定)をあらかじめ決めておくべきです。

成り行きにまかせて結果的にうまくいく場合もありますが、どちらを先にするのかによって、資金計画や段取りが大きく変わることにもなりかねません。

売りと買いを同時にできればそれがベストでしょうが、なかなか希望どおりにはいかないことが多いものです。

いろいろと難しい問題も絡んできますから、不動産業者に相談をしながら決めたり、アドバイスを受けてから軌道修正したりしてももちろん大丈夫ですが、少なくとも「どのような物件に買換えたいのか」はよく考えておきましょう。

買換えによって新たに購入を希望する物件が新築マンションなのか、建売住宅や建築条件付き土地なのか、土地を買って注文住宅を建てたいのか、あるいは中古マンションや中古一戸建て住宅を探すのか。

それによって、売却を依頼する不動産業者をどう選ぶのか、また売却と購入を同じ不動産業者に任せてよいのか、それとも別々の不動産業者に頼むべきかといった方向性も変わってきます。

なお、買換えにおける注意点などについては ≪家の買換え~売るのが先か、買うのが先か≫ も併せてご覧ください。


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