ネット情報にも専門領域がある
ネット検索をすると、まず引っかかるのが「Wikipedia」ですね。次によく引っかかるのが様々なQ&Aもの。そして、この記事のような専門家による情報サイト。また、専門家が解説しているブログやHPでしょう。私自身もネット検索をよく利用していますが、医療関係者はむやみやたらに検索し情報を読むことはありません。実は専門家が参考にするお決まりの情報サイトがあるのです。それは、学会論文を中心に検索できる検索サイトです。代表的なものを以下に紹介します。
論文は、無料で閲覧できるものと有料のものがあります。様々な研究機関や学会が、有益な情報を公的に公開している場所です。一般市民と研究者や専門家の出会いの場所と言ってもいいでしょう。
もちろん専門家が専門家のために書いているのが論文ですから、読んで理解するのに手間と努力はかかります。分からない単語や専門用語があれば調べなければならないですし、そもそも難読な言い回しで書かれています。しかし、それこそ難読なものを読み解くのに現代はWebが協力してくれるのです。昔に比べればとても効率良く読めると思います。英語論文ですら、少し誤訳も出ますが、翻訳ソフトを使えば読むこともできます。
■オススメの英語論文サイト
■オススメの翻訳サイト
このように、現代は専門的な情報を図書館や専門機関に行かなくても閲覧できる時代なのです。雑誌などは興味をそそられる売れるものを作りますので、面白く突飛なものを取り上げがちです。すると、専門的な情報というよりも目立つものが取り上げられ、多くのバイアス(偏見)によって正確な情報とはかけはなれることもあります。自分の健康については、自分の手間暇をかけることも大切だと思います。
私も出来るだけ皆さんに有益な情報を分かり易くお伝えるよう心がけておりますが、希望としては今回ご紹介したサイトを使って、ご自身でも有益な情報を得ていただきたいと思っています。
もちろん論文だからといって全て信用していい情報とは限りません。また、その情報がご自身にピッタリ合うという保証もありません。ただ、ご自身で客観的な情報を集めるという行為が、徐々に自分や情報を客観的に見つめる助けになり、溢れる情報に惑わされない目を養ってくれるのです。
次ページでは、論文を読む時の注意点を解説します。