ミケランジェロの傑作『ピエタ』を思わせる『子安観音』
庚申塔の立ち並ぶ三叉路を左手の「三崎道」のほうへと進みます。春は、野山が本当に美しいですね。時折、天空から吹きおりるような、さわやかな風が通り過ぎていきます。
野道を歩いて行くと、右手の路傍に何体かの石仏がまつられている場所があります。その真ん中の仏様を見てみてください。優しい表情で赤ん坊を胸に抱く『子安観音』です。
子安観音は、日本の『ピエタ』?
この像を見て、私はすぐに、ヴァティカンの『サンピエトロ大聖堂』の『ピエタ』(Pieta ミケランジェロ作)を連想しました。
参考:ピエタ(ミケランジェロ作)
『ピエタ』は十字架から降ろされた我が子キリストに別れをつげる聖母マリアの像。一方、『子安観音』は子の安らかな成長を願って彫られたもの。
「生」と「死」まったく逆のテーマに基づいて彫られた2つの彫像ですが、「子を思う母の心」という共通項があるので、似ていると思うのかもしれません。
さらに、道を下っていくと、もう1軒の「炭焼き小屋」があり、その先は、関渡川(せきわたしがわ)沿いに遊歩道が整備されています。
関渡川のせせらぎに沿って整備された木道
春先は菜の花がきれいで、途中から、約700mにわたって木道が整備されており、水辺の植物も観察することができます。また、夏にはホタルが飛び交うそうですよ。
木道の端から階段を上り、県道に出て左のほうを見ると、先の方にトンネルが見えます。
県道に出て
トンネルの100mほど手前から、左へ関根川沿いを歩く旧道が分かれていますので、旧道を歩いて行きましょう。
旧道を100mほど行くと、地元の方たちがおまつりしているお不動様のお社があります。
家の間に海が!
ここから先は、わりと淡々と歩いて行く感じになります。500mほど歩くと、家と家の間に海が見えてきます。山の自然を楽しんだ後に、海の景色も楽しめる! なんだか、トクした気分になる散歩道です!
次のページでは、海のダイナミックな景観を楽しみます!