AT限定免許でも乗れる高性能スポーツカー
デビュー当時のM3クーペおよびセダンは、V8に6速マニュアルという組み合わせ。ハンドル位置は左右どちらかを選べました。フロントシートはサイドサポート性が高められた専用シート。メーターも専用のものが採用されています。標準装備となる純正HDDナビやCDチェンジャーはiDriveで操作
2008年6月には2ペダルMTの7速Mダブルクラッチトランスミッション(以下M DCT)搭載モデルが登場。新車時価格はクーペが1050万円、セダンが1020万円でした。
ちなみにM DCT搭載モデルの5万km未満の最安値は、原稿執筆時点でクーペが459.9万円(2009年/2.3万km)、セダンが528.0万円(2008年/3.8万km)。クーペは十分半額以下で、セダンは半値にギリギリ届いていません。
しかしこのセダンの中古車、BMW正規ディーラーの認定中古車です。専用コンピュータを使うなどして100項目以上に及ぶ納車前点検が行われ、1年間または走行距離2万kmの保証も付きます。
その内容を考えたらこの値段……自分で書いていてすごくヨダレが垂れてきました(笑)
3シリーズセダンとは異なり、M3クーペや3シリーズクーペと共通の顔に。乗車定員は5名。これにM DCTを備えればさらに使い勝手のよい高性能スポーツカーですが、クーペに比べてセダンの中古車台数は少ないので、見つけたら早めの行動がオススメ
……話がそれました。さてV8エンジンは最高出力420psを8300回転という高回転域で発生します。また最大トルクは400Nm(40.8kgm)/3900rpm。しかもこの最大トルクの約85%を2000~8400回転域で一貫して利用できるのです。
その結果、M3クーペの0-100km/h加速はわずか4.8秒(セダンは4.9秒)。現行型(M3およびM4クーペ)の4.1秒には及ばないものの、現行型ポルシェカレラ(7速MT)と同タイム。
ともかく、高回転までふけ抜けるわ、低回転からトルクもりもりだわと、アクセルペダルから足を離すのが嫌になるくらい、素晴らしいエンジンです。
それだけの動力性能を持ちながらも、街乗りでの乗り心地がいいのもこの車の美点です。剛性が高く、しかも軽いボディ。また新設計のフロントサスペンションや、一部を除き新設計のリアサスペンションなども相まって、プレスリリースで「日常の走行も完璧にこなす高性能スポーツカー」を謳うだけのことはあります。
ヘッドライトはコーナーで曲がる先を照らすアダプティブ・ヘッドライト。シートは本革で覆われた専用シートで、前席はシートヒーターが備わります。エアコンは前席の左右+後席の3ゾーンオートエアコン、ハンズフリー機能、リアウインドウの電動ブラインドなど、装備も高級車にふさわしい充実ぶりです。
さらにM Driveパッケージを選べば「スポーツ」「ノーマル」「コンフォート」と3段階の減衰力を選べるダンパーが装着されます(EDC)。
奥さまが子どもの送り迎えに使っても不満は出ないどころか、フツーのビーエムとはどこか違うその佇まいに集まる周りのママたちからの視線が、まんざらではないかも知れません。
もちろん、街中をスッと流すだけで高性能スポーツカーを実感できるのですから、ご主人もついニンマリ。
確かに今や「いつかはクラウン」ならぬ「いつかはアルファード」な時代ですが、アルファードの新車とあまり変わらぬお金で、ビーエムのスペシャルモデルが手に入るのです。
あとはどちらを自宅の車庫に入れておきたいか、どちらでドライブに出かけたいか、どちらで子どものお迎えや買い物に出かけたいか、です。私ならもちろんM3です。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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