また、資産の棚卸を行うことで、もう一つ考えておくべきポイントが見えてきます。
現在の資産運用が果たして最適なのかという検証です。例えば、1億円の相続税が発生するという試算が出た場合でも、活用方法を変えることで相続税自体を抑えられる場合があります。

駐車場として利用していた土地に賃貸住宅を建設したとすれば、税法上、課税評価額は大きく抑えられます。また、建設費などを借り入れることで資産を大幅に圧縮できます。

但し、今まで全く不動産に触れてこなかった子供達が、いきなり土地活用をしようとした場合、経験不足から事業に失敗してしまう可能性が高いです。やはり、経験豊富なオーナーさん自身が次世代の為に土地活用を行い、誰からも喜ばれる状態で承継させるべきでしょう。

高い割合を占める不動産

相続財産の金額の構成費

 

「無形の資産」もしっかりと引き継ぐこと

財産には「有形の財産」と「無形の財産」があります。有形の財産とは、すなわち現金や不動産のことです。

それでは、無形の財産とは何でしょうか。それは、経営哲学や信用、信頼、人脈のことです。これらは現金や不動産のように課税対象とはならない為、見落としがちですが、次世代に残すべき財産であることに間違いありません。ある意味、事業の承継において最も重要視しなければならないポイントと言えます。

つまり、事業承継とは経営の承継であり、経営を承継する為には、現金や不動産などの「ハード」に加え、経営哲学や信用、人脈などの「ソフト」を同時に引き継がなければならないのです。

なお、オーナーさんの人生観や仕事の仕方、取引先との関係性まで承継する為には、早い段階から経営を肌で感じさせ、人間関係の構築をスタートさせておく必要があります。一度、税理士との打ち合わせや不動産管理会社とのお付き合い、リフォーム会社からの見積もりの説明などに、子供たちを参加させてみてはいかがでしょうか。
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