昔も今もヒーロー! なぜ桃太郎は人気なの?
おめでたいこといっぱいのヒーロー、桃太郎
「桃から生まれた桃太郎が、きび団子で犬・猿・きじの協力を得て鬼が島へ行き、鬼退治をして、捕われていたお姫様を救い出し、宝物を持って帰る」― というのが骨子です。けれどその中にはおめでたいとされるポイントが、たくさん詰まっているのです。
まずは、生まれ。子どもを待ち望んでいた老夫婦にやってきた子どもであると同時に、古来長生きの象徴とされている桃から生まれたという二重のおめでたさがあります。
それから桃太郎の人物像。健やかな成長ぶり、鬼に立ち向かう勇気や力強さに加え、「忠」を象徴する犬、「智」の猿、「勇」のキジの協力を得た賢さから、理想の男の子の姿とされます。また、無事に鬼を退治したということから、災厄から身を守る運の強さもあると考えられることも。
岡山駅前の桃太郎像
けれども、既に江戸時代にはベストセラーであった定番の昔話の桃太郎は、明治以降もその人気は衰えず、邪気払いや子どもの無事の成長、安産・産育を祈る庶民信仰の対象にもなりました。
そして今でも誰でも知っている「理想の男の子」の描かれたおめでたいこと尽くしの昔話として、ヒーローであり続けているのです。そのため、桃太郎人形は、男の子の成長を祝う端午の節句に欠かせないお人形となったのです。
桃太郎人形ってどんなもの? 種類豊富な五月人形とその意味
端午の節句のお飾り、五月人形。桃太郎人形は、五月人形の一つですが、五月人形は意外なほど種類が豊富。何をどう飾るかは、地域によって違いはありますが、そもそも五月人形にはどんなものがあるのか簡単にご紹介します。- 鎧飾り(よろいかざり)
甲冑全てを模した五月人形。全体に大きなものが多く、本格的で迫力がある。
購入はこちらから - 兜飾り(かぶとかざり)
鎧飾りよりも略式とされるが、現在一番人気と言われる五月人形。弓と太刀と一緒に飾ることが多い。
また、軍扇揃(ぐんせんぞろい)・陣笠揃(じんがさぞろい)・陣太鼓(じんだいこ)の三品揃を合わせても。鎧飾りと同様、身を守るという意味がある。
購入はこちらから - 武者人形
鍾馗さまや金太郎など人型の五月人形。歴史上の豪傑や愛らしい子どもを大将の姿に仕立てたものなど。身代わりとなって穢れや災厄から男児を守るという意味がある。
購入はこちらから - 童人形(わらべにんぎょう)
脇飾りと言って、鎧飾りや兜飾りの横に飾るお人形。金太郎・牛若丸・蹴鞠人形など。身代わりとなって穢れや災厄から男児を守るという意味がある。
購入はこちらから
実際に着用できるタイプもあります
人気の伊達政宗の兜
こちらは鍾馗様。災厄除けや学業成就の意味があります
桃太郎人形。武者人形とも童人形ともされています
桃太郎人形は、武者人形としても童人形としても作られており、どちらも人気。武者人形と童人形の区別は曖昧ですが、武者人形は「顔つきの鎧飾り」とされることもあるほどきりっと厳かな佇まい、童人形は頬がまるく愛らしい姿をしていることが多いようです。童人形は、2人目の男の子用に購入したり、親戚や友人からの贈りものにしたりするのにもおすすめです。
桃太郎人形、どう飾る?
思い出に残る端午の節句をお過ごしください!
武者人形は単体で、童人形は鎧飾りや兜飾りの横に飾るのが基本ですが、今は童人形だけでも問題ありません。鎧飾りや兜飾りの横にスペースがなければ、童人形だけ別の場所に飾っても。
いずれにしても、お人形の傷まない、日光やエアコンの風が直接当たらない平らな場所に置きましょう。
また、飾る場所を決めてから、その場所で組み立てるのがポイント。組み立て後に飾る場所を決めようと持ち運ぶと、何かのはずみでお人形が倒れて壊れたり、兜についた鍬形(くわがた)などでけがをしたりする恐れがあります。
昔から今も理想の男の子として愛され続けている桃太郎、おめでたい端午の節句に飾ってみてはいかがでしょうか?
【関連記事】
「ちまき・柏餅だけでない!全国色々な端午の和菓子集合」
>>>その他、こどもの日・端午の節句関連記事はこちらから