クラシックな名作映画で舞台裏を見る!
『イヴの総て』(1950年度作品)
田舎からニューヨークへ出てきた娘イヴ(アン・バクスター)が大女優マーゴ(ベディ・デイヴィス)の付き人になるけれど、マーゴの周囲の人間に取り入り、彼女を踏み台にしてスターに成り上がっていく物語。
この作品ほど「女優は怖い!」と思う映画はありません。マーゴを尊敬するフリをしつつ、実は彼女の人脈をわが物にしようと画策するイヴ。野心の塊である彼女の凄味が圧巻。マーゴの疑惑や焦りも手に取るようにわかるし、1950年の映画ですが、今見ても色あせないのは人間の本質をついているからでしょう。いい映画は時代を超える……その見本のような作品です。
監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ 出演:ベティ・デイヴィス、アン・バクスター、ジョージ・サンダース、ゲイリー・メリル、マリリン・モンローほか
『映画に愛をこめて アメリカの夜』(1973年度作品)
フランス映画界の巨匠トリフォー監督が、監督&主演した映画製作の裏側を描いた作品。フェラン監督(フランソワ・トリフォー)が、ニースで新作映画を撮影することになるけれど、主演女優が精神不安定だったり、新人女優が妊娠したり、思うように撮影が進まずイライラがMAXになっていく……。
大きな事件が起こるわけではないのですが、困り果てる監督の姿、そのうんざり感がわかるゆえに可笑しい。キャストとスタッフの自分勝手さにビックリですよ。ちなみに アメリカの夜というのは業界用語。フィルターをつけて日中の撮影でも夜のシーンのように撮影する手法のことだそうです。
監督:フランソワ・トリュフォー 出演:ジャクリーン・ビセット、ジャン=ピエール・レオ、ジャン=ピエール・オーモン、アレクサンドラ・スチュワルト、フランソワ・トリュフォー、ナタリー・バイほか
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