多才な女流芸術家トーベ・ヤンソンとムーミン・トロール
フィンランドを代表する作家トーベ・ヤンソンは、日本では児童文学者としてよく知られていますが、実は油彩画家であり、風刺画家であり、その他イラストレーター、漫画家、作詞家、舞台美術家、商業デザイナーそして小説家と幅広い分野で才能を発揮した芸術家でした。
そのトーベ・ヤンソンの代表作「ムーミン」シリーズは世界中で愛されている有名な作品ですが、実はムーミンの物語は9作品だけで、絵本にいたってはオリジナルの書き下ろし作品はわずか4冊だけというのですから驚きです。今回はそのトーベ・ヤンソンのオリジナル絵本4冊を出版された年代順にご紹介します。(表紙画像につきましては海外版を掲載している作品があります。)
ムーミンシリーズ唯一のしかけ絵本『それからどうなるの?』
トーベ・ヤンソンが初めて作ったオリジナル絵本は、しかけ絵本の『それからどうなるの?』でした。ムーミンとミムラねえさんが、行方知れずになったちびのミイを捜して繰り広げる愉快な冒険物語で、オレンジ色のお洒落な表紙が印象的な作品です。
絵本の各ページを切り抜いて作る穴の数々には、仕掛けとしての面白さがあるだけでなく、ムーミンの住む絵本の世界に読者を引き込むような不思議な魅力があります。1952年初出という大変古い作品ですが、全く古さを感じさせない絵本です。
(過去記事 ムーミンのふるさとで大冒険『それからどうなるの?』 で詳しい内容をご紹介していますのでそちらもご参照ください。)
【日本語版の書籍DATA】
トーベ・ヤンソン:作 渡部翠:訳
価格:1728円
出版社:講談社
推奨年齢:3歳くらいから
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>> 引き続きトーベ・ヤンソンの絵本をご紹介。でも主人公はムーミンでなく……