三重の観光・旅行

伊勢神宮の正しい参拝順路は?知っておきたい豆知識

三重県で一番有名な神社といえば、伊勢神宮でしょう。「お伊勢さん」「大神宮さん」と呼ばれていますが、「神宮」というのが正式な名称です。伊勢神宮は2000年の歴史がありますが、まだ参拝したことがないという人も含めて、事前に知っておくべきことについて、ご紹介いたします。

大石 ゆう

執筆者:大石 ゆう

三重ガイド

伊勢神宮とは

日本人の心のふるさと、日本随一のパワースポットとも言われる伊勢神宮は、正式には「神宮」といいます。

日本人の総氏神とされる天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする内宮(皇大神宮)と、天照大御神の食事をつかさどり、産業や食事に関する神様の豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りする外宮(豊受大神宮)を始め、14所の別宮、43所の摂社、24所の末社、42所の所管社の125の宮社全てをふくめて「神宮」です。
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神宮では神職の方とすれ違う機会が多いです

地元では伊勢神宮のことを「お伊勢さん」と読んでいます。外宮のことは「外宮さん」、内宮のことは「内宮さん」です。親しみを込めてさん付けにしています。

参拝の順路について

まず外宮に行き、その後で内宮を回るのが慣わしです。所要時間は、ご正宮にお詣りするだけなら、外宮は20分程度、内宮は40分程度が目安。いくつかの別宮をめぐる、標準的なお詣りでは、外宮は40分程度、内宮は1時間程度が目安となります。
花の形

内宮入口近くにある子安神社には、花の形の手水舎があります。


旅の日程に余裕がある方は、二見浦・二見輿玉神社を参拝してから、外宮、内宮の後に朝熊岳・金剛證寺(こんごうしょうじ)を回ることをおすすめします。こちらは江戸時代に使われていた順路です。
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二見浦にある夫婦岩です

江戸時代はまず二見浦で禊をして後、神宮へ参拝していました。しかし明治時代になり神仏分離令が施行、また第二次世界大戦の時には一般の朝熊山への入山が禁止されたため、金剛證寺を参拝する人が減少。そのため、現在では外宮から内宮という順路が一般的になったのです。

外宮(=豊受大神宮)

外宮(=豊受大神宮)は、豊受大御神 (とようけのおおみかみ)をお祀りしています。

雄略天皇の代に天照大御神の食事に仕えるため、丹波国から豊受大御神を迎えたとされています。そのため個人的な願いごとは外宮で、日本全体のことは内宮でと、ガイドは子どもの頃に教わった記憶があります。

さて、その外宮には伊勢市駅から徒歩5分で到着します。参道は綺麗に整備されて数年前に比べて、ぐんと歩きやすくなりました。
伊勢市駅

伊勢市駅です。タクシーも駅前に待っているので便利ですよ。


外宮参道には土産物店や旅館が並び、新しいお店も増えています。ガイドが気になっているのは、古くからある三階建ての木造建築の旅館です。趣があり、中に入ってみたいなあと思いながらも、通り過ぎております。
外宮参道

外宮参道にある三階建ての木造旅館です。


通り過ぎずにぜひ立ち寄っていただきたいのは、伊勢市観光協会が運営している伊勢市観光案内所です。こちらでボランティアガイドさんを頼むと、面白くてためになる案内をしていただけます。私も何年か前に一度お願いしたことがありますが、わかりやすくて楽しかったので大変おすすめですよ。
伊勢市観光協会

伊勢市観光協会です。ボランティアガイドさんに案内をお願いできます。


外宮の境内に入ると目に付く場所に説明書きの看板があります。どこの神社に行っても説明を書いた看板はありますね。外宮のご祭神について読んでみてください。
外宮説明板

豊受大神宮 (外宮)についての説明です。


鳥居をくぐり、玉砂利を踏みしめて、緑あふれる境内をしばらく歩くとご正宮に到着します。
豊受大新宮

豊受大神宮(外宮)の御正宮です。


ご正宮を参拝した後、お時間があれば別宮へもどうぞお詣りください。特におすすめしたいのは多賀宮で、ご祭神は豊受大御神の荒御魂(あらみたま)です。

別宮

別宮への案内板です。

正式な参拝である「御垣内参拝(みかきうちさんぱい)」を希望される方は当日社務所でご造営資金を納めてください。なお、ご祈祷と御垣内参拝とは別のものですからお間違いのないようにご注意を。

御垣内参拝の服装は、男性は背広にネクタイ着用、女性もそれに準じた服装が必要です。皇族の方たちは正装での参拝ですので、ダークスーツなら良いでしょう。学生なら制服を着用しましょう。自分では良いと思っても、神職の方に断られることもありますので、基本は白いシャツと地味な色のスーツと覚えておいてくださいね。
遷宮

今度の式年遷宮の時にはこちらにご正殿が建てられます。


神職の方の案内で玉砂利が敷き詰められた中を歩き、御正宮の前での参拝はありがたい気持ちがします。何度参拝しても気持ちが引き締まりますよ。

※お問い合わせ 神宮司庁広報室
住所 〒516-0023 三重県伊勢市宇治館町1
電話(代表) 0596-24-1111

外宮参拝の後、ぜひ「せんぐう館」にもお寄りください。二十年に一度の式年遷宮は建物だけではなく、調度品、着物、宝飾品等も新しく作られていて、こちらを見学することで日本の職人の技がよくわかります。後世に伝えていきたい技術と伝統が集められているのです。せんぐう館こそ、多くの方たちに見ていただきたいと私は願ってやみません。
せんぐう館

ご遷宮について知ることができるせんぐう館です。


勾玉池もよく見えるせんぐう館の無料休憩所は自動販売機も設置されており快適です。歩き疲れた身体を休めるのにちょうど良い場所となっています。

せんぐう館

せんぐう館の無料休憩所です。


外宮から内宮への移動方法

外宮から内宮までは3.8キロです。健脚な方は徒歩でも可能な距離ですね。伊勢市駅前にはレンタルサイクルと手荷物預かり所もありますから、身軽な移動も可能ですよ。
タクシー

タクシー料金です。


外宮から内宮へはバスが出ています(430円)。土日や行事がある時は内宮直通の臨時バスも増発されており、また、外宮の入り口にはタクシー乗り場もあるので、移動手段の心配はありません。
三重交通

外宮から内宮までバスが出ています。

 

内宮(=皇大神宮)

内宮前に到着し、バス停を降りるとすぐ宇治橋の前に出ます。
宇治橋

遷宮前の宇治橋の鳥居

内宮前にも説明の看板があります。ぜひ読んでみてくださいね。

内宮説明

皇大神宮(内宮)の説明が書いてあります。

内宮の境内は広く、木々や流れる川の美しさに心癒されます。月に一度参拝する人も多いそうです。冬至の日には、朝日が宇治橋の鳥居の真正面から昇るのを見ることができます。

宇治橋から続く参道は、大勢の参拝者が歩いていますが、五十鈴川沿いの参道にはあまり人は歩いていません。静かな道が好きな方におすすめです。
内宮

静かに歩きたい方におすすめの五十鈴川沿いの参道。


内宮のご正宮での写真撮影は石段の下までとなっています。外宮同様に、御垣内参拝を希望される方は、男性は背広にネクタイ着用、女性もそれに準じた服装が必要です。なお、外宮でご造営資金を納めた方は、内宮では納める必要はありません。外宮で渡されたカードを内宮のご正宮で提示すれば大丈夫です。
内宮

内宮のご正宮です。

ご正宮の参拝を終え、お時間があれば別宮へお詣りください。特に若いご夫婦におすすめしたいのは、大山祇神社と子安神社です。子安神社は大山祇神の娘神である木華咲耶姫神(このはなさくやひめのかみ)をお祀りし、地元の方からは、安産、子授けの神として崇敬されています。
大山祇神社

大山祇神社と子安神社は並んでいます。


伊勢神宮には天皇家から奉納された神馬がいます。神馬が境内にいる日や時間はだいたい決まっているのですが、馬の体調やお天気の影響もあるため、確実に会えるかどうかは不明です。

神馬と会えると良いことがありそうな気持ちになれますね。私の地元の神社には馬の銅像が奉納されていますが、このようにほとんどの神社では馬を飼えないので銅像や絵馬になるようです。
神馬

伊勢神宮にいる神馬に会えるでしょうか?


※確実ではありません。
・外宮 神馬の見られる時間…13時過ぎ~15時
・内宮 神馬の見られる時間…不定期
・毎月1日・11日・21日 朝8時過ぎに見参(内宮・外宮)

次は二見と金剛證寺についてです。

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