価格調整するアプリ開発者も
では、アプリ開発者側で、価格据え置きという対策は取れなかったのでしょうか。アプリの価格は、アメリカの1ドル単位がベースにされているため、世界の開発者はこれに従わなくてはいけません。そして、アップル為替が1ドル=120円に変更された以上、日本のアプリ開発者は120円単位で価格を設定せざるを得ないのです。
これはシステム上、自動的に行われます。つまり、開発者にとっても「強制的な値上げ」だったと言えるのです。
ただ、その後の販売価格をどうするかは、アプリ開発者によって対応が分かれています。2割増しのままにするアプリがほとんどですが、値下げをして為替変動分を相殺するアプリもあります。
例えば『パズル&ドラゴンズ』は、アプリ内で魔法石というアイテムを有料で購入できます。これまで5個セット500円だったものが、アップル為替により600円に値上げされたのですが、直後に5個セット480円に値下げしました。480円という中途半端な値段になった理由は、120円単位でしか設定できないためです。
特に、価格を自由に設定できるAndroid向けにも提供しているゲームアプリの場合、AndroidとiOSとの格差を作らないという配慮があるようです。
音楽、映画、電子書籍には影響なし
なお、音楽や映画、電子書籍は、現在のところ価格調整はありません。こちらは、国内のレコード会社や映画製作会社、出版社と協議した価格のため、為替変動の影響を受けないためだと考えられます。音楽はこれまでと同じ1曲250円(サントラなど一部を除く)、電子書籍も価格に変化はありません
海外企業がプラットフォームを抑えているサービスでは、海外情勢の影響を受けやすくなります。突然のサービス変更に動揺しないためには、日頃からニュースを見る習慣が必要かもしれません。