イタリア人は時間を守らない?
イタリア人は時間にルーズ?
この「5分ぐらい遅れるのがマナー」というのが、何においても通用しているような気がします。家に招かれた場合に限らず、外で友人と待ち合わせするとき、レストランの予約など、15分ぐらいまでは、イタリア人にとっては「遅刻のうちには入らない」のです。
まず、この日本人とは多少違う時間の感覚を理解することが、はじめの一歩です。
遅刻しても知らせない?
日本人は約束の時間に遅れてしまう時には、相手にも知らせるものですよね。イタリア人は5分から10分程度なら、特に知らせることもなかったりします。そこで待ってるこちらはハラハラと心配し、電話をかけようものなら返ってくるセリフはいつだって同じです。Sto arrivando! スト アリヴァンド!
(もう着くよ!)
Tra 5 minuti. トラ チンクエ ミヌーティ
(あと5分!)
この返事を真に受けてはいけません。もしかしたら、まだ自宅で靴も履いていない状態でもイタリア人は電話では大抵このように受け答えします。おそらく、相手を待たせることに対する罪悪感というのはあるのでしょうね。
イタリア人の遅刻の言い訳ベスト3
ようやく待ち合わせ場所にあらわれたら、こちらから聞かなくても遅刻の言い訳を始めるのがイタリア人です。その言い訳の中で最もよく使われるのがこちらです。C’era traffico. チェラ トラッフィコ
(道が混んでいてね)
Ero incasinato. エロ インカジナート
(ちょっとバタバタしてたもんで)
Non è colpa mia. ノネ コルパ ミア
(私のせいじゃないの)
その他にも、車の鍵が見つからなかったとか、ガソリンスタンドに寄ったら混んでいたとか、出がけに親(あるいは彼女)から電話がかかってきたとか、来るはずの配達物を待っていたとか、財布が空だったのでキャッシュディスペンサーに寄ったとか、ありとあらゆるパターンがあります。
遅刻の言い訳 番外編
街角で人待ち風情のイタリア人男性
- ゴメンゴメン、ホント、ゴメン。うちの親がさ…(以下省略)
- あれ、3時だっけ?5時じゃなくて?
- 悪い!とりあえず一杯目は奢るよ。
- 本当はこちらが先に着くはずだったんだよ、でも信号が全部赤で...
- 緊急に片付けなくちゃいけない用事があってね。
- 君だって5年前の誕生会、遅刻してきたじゃないか!
- えぇー、待っててくれたの?もうとっくに先に行ったと思ったよ。
- あ、言わなかったっけ?行かれないんだよ、今日。
- どうしても仕事が片付かなくて出られなかったんだ。
本当にバリエーションが豊かですね。
律儀にもなれるイタリア人の言い分
これだけ言い訳のパターンが多いことを考えても、やはりイタリア人は遅刻しがちということが言えそうです。また、 「遅刻はしないほうが良い」という概念は、時間に律儀な人との共通認識としてあるようです。ここでイタリア人の名誉のために付け加えると、普段から常に時間に律儀なイタリア人も少なからずいます。特に、私生活では遅刻の常習犯でも、仕事の現場ではきっちり守れる人がほとんどです。この「オンとオフを切り替えるイタリア人」の話を聞いてみると、「時間を守ることはできる。でも時間に自分が縛られているようで不愉快。だからオフの時ぐらい、自分を時間から解放したい」と言うことでした。
いかにも、自由に生きていたいイタリア人らしいセリフですね。
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