「ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン」概要と販売結果
「ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン」は三菱地所レジデンスが売主の分譲マンションである。JR京浜東北線「新子安」から徒歩4分。総戸数497戸、地上10階建て。地域や行政と連携し、保育施設、学童保育施設、地域交流施設、緑地等を設けることで高さ制限等の規制緩和を受けた。敷地面積約1.9ヘクタール。従前はプロサッカークラブの練習グラウンドであった。四方道路の恵まれた条件を有する。南間口も広く、整形地である。
大手分譲、大規模、駅近、良好な住環境。好条件が揃い、販売は順調。2013年7月から問い合わせ窓口を設置、同9月下旬モデルルームオープン後、翌年10月には完売。約13ヶ月で500戸は都心でも早い部類だろう。反響総数約5,800件、来場総数約2,500件、来場者に対する契約率は20%である。平均坪単価は@209.7万円。
共用施設の進化
90年代後半以降、デフレ経済がもたらした分譲マンションの大規模化は、共用施設の多様化を引き起こした。最初の10年は「目新しさの追求」だとすれば、次の10年は「実際に使われるスペースの絞り込み」。現在は動線、デザイン、可変性等に個人的には注目している。結局、いくら珍しい空間でも、どれだけ高級感があっても実際に使う側の立場に立ってみれば「継続して利用され」、「維持管理コストに悩まなくて済む」施設に限る。実例を見ればそれは明らか。(「豪華すぎる共用施設をどのように維持していくか」参照)
「ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン」で印象的だったのは機能性を意識した共用部デザインである。メインエントランスを入った右手のロビー空間は吹き抜けで明るいゾーン。一方、正面中庭に高低差を活かした水盤を設け、それに隣接する「オーセンティックラウンジ」は囲まれ感のある空間に。子どもたちが走り回るであろうスペースと、落ち着いて話をしたり、視界にさらされずに待ち合わせができるスペースをうまく分けている。
隣り合うキッズルームとゲストルーム、パーティルームは壁の色で場所を知らせる。これなら使い慣れないゲストも覚えやすいだろう。ゲストルームは実用的ながら内装デザインも考慮。狭すぎず広すぎない印象だ。(「膨大な共用施設と維持管理の現実」参照)
ミニショップやスタディルームも
共用施設は、それ以外にも焼きたてのパンを提供できる「ミニショップ」やエクササイズが楽しめる「スタジオ」その他「スタディルーム」「シアタールーム」などがある。高さ制限緩和の恩恵を享受できる「展望デッキ」も用意。24時間ゴミ捨て可能、24時間有人管理等アンケートをもとに要望の高かった施設・サービスは完備したようだ。当マンションならでは、といえばやはり「緑道」か。恵まれた接道状況をいかし、丁寧に植栽された空地スペースは街区の資産性にも繋がるだろう。いずれも工事中の段階では把握しにくいところばかり。売り手も買い手も青田売りマンションの悩ましいポイントだ。
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