ブーツの置き場所

アイズプラスストレージシューズ

アイズプラスストレージシューズ

「マンションの下足入れにブーツ専用スペースを用意しました」(中堅デベN社)。それは画期的なアイデアだと驚いたのも10年以上前のこと。あれから、世間の下駄箱はどうなったかというと…。シーズン毎に新しいブーツが追加。その高さもまちまち。箱に入った山積みをみて「靴屋でも開くつもりか」とつぶやくご主人も少なくないのではないだろうか。

マンション居住者最大の不満は「狭い」。なかでも収納が不足して困っているという声が止まない。これには物理的な課題もさることながら、ライフスタイルの変化がもたらす要因も小さからず。

加湿器や空気清浄機を持つご家庭も近年増えたと思うが、仕舞うに適した場所がない。ウォークインクローゼットの足場を奪われたというケースが多いのでは。キッチン家電も多様化し続ける。適度に嵩(かさ)があるモノは収納効率が悪く、見えるところに置くととたんに生活感が滲み出る。立体の工夫が欠かせないのだが、こうした課題を解消する新たな取り組みを2つご紹介しよう。

EYE'S PLUS STORAGE SHOES&FUTON(三菱地所レジデンス)

アイズプラスストレージふとん

アイズプラスストレージふとん

まずひとつは、三菱地所レジデンスの「アイズプラスストレージシューズ&ふとん(EYE'S PLUS STORAGE SHOES&FUTON)」。下足入れ「SHOES」は複数のブーツが置け、ゴルフバッグやベビーカーも収める余裕を確保した(下の画像)。オープンスペースも設けることで、機能性だけではなくインテリアとしての向上も図っている。

モノ入れ「FUTON」(右の画像)の特徴は、ヒアリング(居住者の声)で多かった来客用の布団置き場を用意したこと。さらに奥行きをいかして、手前にシーズンオフの家電の収納、奥には普段は出し入れの少ないものを収める棚を作った。

ハンガーパイプの高さも可動式。ともに変化するモノの量や内容に応じて可変性を高めたことと実際の購入者の声を聞き、形にしたところが共通点。三菱地所レジデンスでは、「EYE'S PLUS KITCHEN」を2013年6月に発表。継続的にヒアリング調査を実施し、商品企画に反映している。「FUTON」第一弾は5月上旬モデルルーム公開予定の「ザ・パークハウス上石神井レジデンス」で導入される予定。

アイズプラスストレージシューズ

アイズプラスストレージシューズ


ぎゅっとキッチン(旭化成不動産レジデンス)

ぎゅっとキッチン

ぎゅっとキッチン

ふたつめは旭化成不動産レジデンスの「ぎゅっとキッチン」。こちらは、昨今主流のカウンターではなく、壁面に設備を備えつけるL字型キッチンを用い、効率を高めた。

対象は少人数世帯。住む人の数が少ないとはいえ、家電や調理器具、食器の種類はさほど変わらない。食洗機の普及もスペースの余裕を減らしたし、そもそもマンションのキッチン天板には食材を切る調理スペースが狭すぎる、と感じていた方も多いはず。この独特の名称「ぎゅっ」には、スペース、使いやすさ、収納の3つを集約した意味があるのだそう。下の画像をご覧いただくと、なるほどと頷かれるかもしれない。できれば、クリックで拡大してから画像をご確認ください。

L字型やオープン型のキッチンでまず気になるのがゴミ箱入れ。「ぎゅっとキッチン」では、ワゴン形式で食洗機の隣側に配置したが、感心したのは両者の間(カウンターコーナーの下部にあたるところ)。そのデッドスペースを防災対策用の保存食置き場としている。「アイレベル収納」には、普段使いの食器類を。オプションでカウンターテーブルを用意しているが、家族数の変化に応じて撤去できるところが良い。「ぎゅっとキッチン」誕生の背景には、コンパクトタイプでもソファとダイニングテーブルをLDに置きたいという根強いニーズがあった。だから当然、その効用はキッチン以外にも及ぶわけだ。

ぎゅっとキッチン

ぎゅっとキッチン


旭化成ホームズグループは、暮らしの実態を実際に宅訪して調査する点が強み。住み手に耳を傾けるだけではなく、現実の様子を目視することで、まだ声になっていない改良改善の余地を察知する。これは一見、マーケットインのように見えるが、プロダクトアウトの視点も兼ね備えていなければアイデアは生まれない。独特のマーケティング手法は、ハウスメーカーとして培った体質なのかどうかは定かではない。

【参考記事】
ソファとダイニングテーブルのレイアウトについて
調理の幅が広がるキッチンパントリー


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