フィレンツェ近郊の素敵な隠れ家ホテル「ヴィラ・レ・マスケレ」
フィレンツェ近郊にあるホテル「ヴィラ・レ・マスケレ」 (c)Ewa Kawamura
このホテル「ヴィラ・レ・マスケレ(仮面荘)」は、フィレンツェから北に40キロの位置にある村、バルベリーノ・ディ・ムジェッロ(Barberino di Mugello)にあるとっても素敵なホテルです。このホテルの近くには、2013年にユネスコ世界遺産登録された「12軒のメディチ家のヴィラと2つの庭園」のうち、2軒の城塞型のヴィラ・カファジョーロ(Villa medicea di Caffagiolo)とトレッビオ城(Castello del Trebbio)があります。ホテルからほど近いカファッジョーロの城塞の隣りには、メディチ家が開いたマヨルカ焼き陶器工場(カファッジョーロ窯)の建物も。
なおフィレンツェからこのホテルのある方角に向かう途中には、同じく世界遺産登録リストにある元メディチ家の庭園プラトーリノ園(Giardino di Pratolino)、通称ヴィラ・デミドフ(Villa Demidoff)もあります。ただしこの界隈はバスの本数も少なく大変不便なので、やはりここはレンタカーを活用して、このホテルを起点にし、周辺のヴィラ群や近くの村にある有名なキーニ陶器工場(Manifattura Chini)などもまとめて見学してしまうのが効率的でしょう。
>>>メディチ家の庭園プラトリーノ(ヴィラ・デミドフ)についてはこちら
歴史文化遺産としての建物の見どころ
館内礼拝堂の円天井部分に描かれたバロック期のフレスコ画 (c)Ewa Kawamura
「仮面荘」こと「ヴィラ・レ・マスケレ」の名の由来は、正面ファサードのコーニス(三角破風屋根の下部)にある22個の仮面(怪物のような顔で、イタリア語でマスケレ)のレリーフから。そのため、ホテルのロゴやデザインにもこの仮面のモチーフがうまく使用されています。この建物は、16世紀後半に建設され、1611年にフィレンツェのジェリーニ侯爵家(Gerini)の所有になり、そのときに大規模な改装が行われ、館の随所にジェリーニ家の紋章があしらわれています。
建物の玄関側ファサードはルネッサンス様式で、一方庭側のファサードでは、蛇行したテラス階段部分など、バロック様式の面影がみられるのは、17世紀末にフィレンツェ出身のバロック建築家ジョヴァンニ・バッティスタ・フォッジーニ(Giovan Battista Foggini)(1652-1725)の手が入ったためです。ですから館内にある礼拝堂(現在は会議室に使用)もバロック様式になってます。
廃墟のヴィラが高級ホテルに生まれ変わった!
ヴィラ・レ・マスケレのロビーラウンジ (c)Ewa Kawamura
シンプルながらエレガントでスタイリッシュな雰囲気の内装で、美味しいグルメレストラン、上品な屋外プール、ビューティーセンターを備え、本館と離れにある客室は、すべて異なるインテリアでネオ・リージェンシー様式となっています。ユネスコ世界遺産のメディチ家ヴィラ群巡りのときには、ぜひとも合わせて泊まってみるべき素晴らしいホテルです!
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■Villa Le Maschere(ヴィラ・レ・マスケレ)
住所: Via Nazionale 75 - Loc. Le Maschere, 50031 Barberino di Mugello
TEL:+39 055 847432
料金:250ユーロ~