社員の心を守れ! 今、メンタルヘルス・マネジメント検定に注目
心の不調で休職や退職する人が今、急増中
ビジネスの世界でも、社員の「心の健康」をいかに保つかは、企業経営の大きな関心事。社員が生き生きと働くことは企業を生き生きとさせることにつながるため、当然といえば当然ですが、実際は過重労働などの問題もあり、精神障害に関係する労災請求件数は2013年度、1409件(前年度比152件の増加)と過去最多を記録しています。
シビアに見ると、例えば「うつ病」などの心の不調で休職や退職する人がいれば、人件費や復職までのサポートなどの経済的・物理的なコストばかりではなく、雇用環境やリスクマネジメントの不備も露呈することになり、企業にとって大きな打撃となりかねません。そのため、以前は「不調者が出てから対応」だった企業のスタンスも、今では「いかに不調者を出さないか」という予防重視へと変わりつつあります。
とはいえ、社員のメンタルヘルスのため、精神科医や保健師、臨床心理士などの専門家を配置できる企業はごくわずか。実際には、社員一人ひとりの自己管理や管理職などによるラインマネジメントに負うところが多いのが実情でしょう。
そんな中、注目されているのが2006年の誕生以来、着実にその認知が高まっている公的資格「メンタルヘルス・マネジメント検定」です。当初は1万人程度から始まったこの試験も、今や年間38,000人を超える受験申込者を集める人気試験に成長しました。
それでは、この「メンタルヘルス・マネジメント検定」、どうしてこれほど注目されているのでしょうか?
だから人気! メンタルヘルス・マネジメント検定
「メンタルヘルス・マネジメント検定」の特徴は、ラインや組織全体のケアによる「予防・早期発見」に主眼を置いていること。さらに、一般社員、管理職、経営層と、立場が変われば求められる知識や学ぶ内容が異なることです。I種(マスターコース)、II種(ラインケアコース)、III種(セルフケアコース)の3コースからなる「メンタルヘルス・マネジメント検定」は、それぞれ「全社視点でのメンタルヘルス管理」「部下のメンタルヘルス管理」「自己管理」と、立場や領域別に必要となる基本的かつ最新知識を体系的に習得できることができる点も大きな特徴です。
メンタルヘルス対策の1次予防(発症予防と健康増進)のために、この検定試験を社内研修プログラムとして活用する企業や団体が増えているのもうなづけます。
また、まず自らがケアを行うために、そして自身の周りで不調者を出さないために必要となるこうしたメンタルヘルスに関する知識は、いわば社会人が身につけるべき基礎力と呼べるもの。そのためか、最近では企業だけでなく、学校現場で教職員や生徒、保護者などに受験を推奨する動きも出てきています。
「心の健康」担当者の育成は、企業にとって切実な課題に
2014年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、2015年12月から働く人のメンタルヘルス不調を未然に防止する取り組みとして、企業に対して働く人のストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が決定しました。この対策が急務の企業にとって、心の健康分野の知識を持った担当者の育成は大きな課題となっています。つまり今、社員の「心の健康管理」の専門知識を持つことは、社員を「幸せ」にするだけでなく、不調者を出すことで増えるコストを削減するという意味で、企業の切実なニーズに応える人材になれるということです。
もちろん将来カウンセラー資格を取りたいという方にとっても、基礎的な知識習得の機会にもなるので、将来的なスキルアップ、キャリアアップの視点でも要注目の試験。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
メンタルヘルス・マネジメント検定 【公開試験】概要
【試験概要】- I種は選択式及び論述式(3時間)。論述式得点25点以上、合計105点以上で合格
- II、III種は選択式(各2時間)。共に70点以上で合格
【受験料】
I種:10,800円 II種:6,480円 III種:4,320円
【受験資格】
特になし
※希望のコースから受験が可能
【試験会場】
札幌、仙台、新潟、さいたま、千葉、東京、横浜、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡より選択可能
※一定要件がそろえば企業・学校単位で日時・場所を指定し、試験を実施できる「団体特別試験」も可能(II種、III種のみ)
【公式サイト】
メンタルヘルス・マネジメント検定
※次回の試験日程など、詳細は必ず上記サイトをご確認ください
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取材協力:大阪商工会議所