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主役ではないけれど、ドラマのなかの気になるあのひと(3ページ目)

主役ではないけれどドラマのなかには魅力的な登場人物がたくさんいます。妙に強気だったり弱気だったりするものの、なぜか憎めないあの人物を追ってみました。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

答えを教えてくれない哲学者 
岩田逸郎(山崎努 / 『最高の人生の終わり方~エンディングプランナー~』)

父親を亡くし葬儀屋を継いだ主人公井原真人(山下智久)の前に突如現れ、いろいろと助言をする老人岩田逸郎。元刑事である彼の姿は真人にしか見えません。
真人を強く否定するわけでもなく、肯定するわけでもない。でも欠けた心に寄り添ってくれる岩田逸郎の言葉は深くスッと胸に染み入ります。

岩田逸郎演じる山崎努の巧さと言えばそれまでですが、感情を露にしすぎない演技だからこそ、言葉はやわらかく、でも力強く響いたのだと思います。

作品の重たいテーマも岩田逸郎の存在によって救われているように思います。真人にとってそうであるように、私たちにとっても迷ったとき、会えたらいいのに思ってしまう人物なのです。

山崎努という俳優は、山崎努のまま年月を重ねた数少ない俳優です。どこかで2時間ドラマにシフトしたり、役者以外の仕事を始めたり、そういうことがまったくありません。圧倒的な存在であり続けています。それを可能にしているのは何なのか、その答えにたどり着くのは、まだ先になりそうです。

 

彼がカッコよく見えたとき人生はきっと花開く 
東海林武 (大泉洋 / 『ハケンの品格』)

気持ちを隠しきれない。すぐムキになる。ちょっとおしゃべりで意外に自信家。しかし東海林武は仕事のできる男です。周りからも信頼され愛されています。視聴者にとっても東海林武は不思議な存在と言えるかもしれません。ちょっと憎らしい発言をするものの、仕事の時はピリッとして、結局憎めないどころか、かっこよく感じてしまいます。

彼を「クルクルパーマ」と呼ぶ主人公 大前春子(篠原涼子)とのやりとりも楽しみの一つでした。威張りん坊や、意味なく幅を利かせる存在の鼻を明かしてスッとする作品なのですが、二人の言葉の応酬に笑いながらも、その根底に流れるお互いを思いやる気持ちがじれったかったり、ホッとしたり、絶妙に心地よかったりする方が大きかったと言えそうです。

東海林武を思い出してはふと笑い、でも周りにいたらいいのに、一緒に仕事ができたらいいのに、そんなことを思ってしまう不思議なカッコよさがありました。


ドラマには数多くの魅力的な人物が登場していることに改めて驚きます。そして彼らを思い出すことで、頑張る気持ちをを思い出す。ドラマのチカラはまだまだありそうですね。
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