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主役ではないけれど、ドラマのなかの気になるあのひと(2ページ目)

主役ではないけれどドラマのなかには魅力的な登場人物がたくさんいます。妙に強気だったり弱気だったりするものの、なぜか憎めないあの人物を追ってみました。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

猛スピードで語り笑い去っていく 台風型天才 
竹元勇三(ムロツヨシ /  『ごちそうさん』)

ヒゲが印象的な気難しい建築家が竹元勇三です。自意識の強さといい協調性のなさといい、一見かかわりたくない雰囲気。しかし、人間愛の深い竹元教授のユニークな”愛されキャラ”に魅了された視聴者も多いのではないでしょうか。

大阪市役所建築課に勤務する西門悠太郎(東出昌弘)の妻である主人公のめ衣子(杏)を「奥」と呼び(その言い方も独特)、め衣子のつくったカレーライスを食す時は「カレーの女神」と絶賛します。大正、昭和初期という時代において(本人ははもちろん個性的ですが)様々な個性を受け入れる近代的な精神には、感心させられました。

物理に夢中になる西門家の長女 ふ久の才能をいち早く認めたのも竹元教授なのです。声の大きさ豪快さ、視聴者の朝の時間をエネルギッシュにしてくれたことは確かです。

今、最も注目されている俳優の一人、ムロツヨシの自由な感性が表情豊かな竹元勇三をさらにエキセントリックにし、誰にもマネできない人物を完成させたのだと思います。

 

澄みわたる心を持った気まぐれな女神 
鈴鹿ひろ美 (薬師丸ひろ子 / 『あまちゃん』)

大女優として登場する鈴鹿ひろ美ですが、作品のなかでは彼女の成長も繊細に描かれています。気まぐれでわがままで、まさに“女優”な鈴鹿ひろ美の自分に正直な生き方はわかりやすく、なんとなく共感してしまいます。彼女の持つ独特のリズムはマイペースです。それもまた自然体と言えるでしょう。何より地位も名誉も手に入れている彼女が、必死で変わろうとする姿はキラキラしていて愛おしくなります。

主人公の天野アキ(能年玲奈)との友情にも似た不思議な空気は、どこか可笑しく、でもお互いを思いやる気持ちには年齢を越えた大切なものを感じます。苦手な歌に挑んだあの日のあの舞台。美しく澄んだ声に感涙した視聴者も多かったのではないでしょうか。何度見ても震えます。フワフワして頼りない雰囲気の鈴鹿ひろ美の心の深さと強さと、自分のなかのいくつもの壁を乗り越えた姿は決して忘れないと思います。

 

日本屈指の「オホホホホ!」に魅了される 
鴇田 早苗 (山下容莉枝 / 『火災調査官 紅蓮次郎』)

山下容莉枝と言えば、「オホホホホ…」と高らかに笑う演技をさせたら日本屈指の女優です。ちょっと嫌味な奥さま的「オホホホホ」が多い彼女ですが、この『火災調査官・紅蓮次郎』の 鴇田 早苗は紅蓮次郎 (船越英一郎)に恋するピュアでキュートな役柄、はにかみながらの「オホホホホ」は実に味わい深いのです。

蓮次郎の長男の彼女の母親という設定で、フリフリのエプロン姿で「あら、紅さあん!!」「まぁ、紅さあん!!」と甘い声で、仕事に追われる紅家を気遣う姿に胸がキュンキュンしてしまいます(紅蓮次郎、鴇田 早苗どちらも独り身)。おそらくめんどくさい存在としての立ち位置ですが、朗らかな彼女を微笑ましく思う視聴者も多いように思います。
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