新築分譲マンションの価格感は、「値上がりしていると感じる」が73.7%
購入段階が進むほど、値上がり感が上昇
新築マンションポータルサイトメジャーセブンから「マンション購入意向者に聞く、新築マンション購入に際しての意識調査(2014年度)」が発表になりました。本格的に価格が上昇して最初の調査。今、購入検討している人がどう思っているのかは、販売動向や価格動向にも影響しそうです。今回は、現在の新築分譲マンションの価格感についても公表されています。まずは、その結果から見ていきましょう。購入意向者全体で見ると、「全体的にマンション価格が値上がりしていると感じる」人が41.5%、「一部のマンション価格が値上がりしていると感じる」人が32.2%。合わせると実に73.7%の人が値上がりしていると感じています。この傾向は、マンションの購入検討段階が進むにつれ高まり、「漠然と思い立ったところ」の段階の方は、57.6%の人が値上がりを感じているのに対し、「実際にモデルルーム、現地、物件を見に行っているところ」の方は、82.4%の人が値上がりを感じています。地域ごとに価格の上昇トレンドに強弱があるので、新築マンションを検討しているほとんどの人は、価格上昇を認知していると思ってよいでしょう。では、そのあとの行動はどうするのでしょうか? アンケート結果とその際の留意点を考えてみます。
「特に影響はなく、納得いくまで検討を続ける」・・・31.9%
「予算を上げて購入検討を続ける」・・・7.8%
「購入時期を早める」・・・6.6%
「購入時期を遅らせる」・・・6.6%
「プランを変更する(希望する部屋数の変更、間取りの変更」・・・3.4%
「予算を下げて購入検討を続ける」・・・3.2%
「エリアを変更する」・・・2.3%
「当てはまるものはない」・・・5.0%
「中古物件の購入を検討する(新築物件の購入をあきらめる)}・・・7.6%
「当分購入を見送る」・・・3.5%
「戸建ての購入を検討する(マンション購入をあきらめる)」・・・1.2%
新築マンション購入検討意向者のうち「当分購入を見送る」とした方は、3.5%。戸建てや中古に検討先を切り替える方は8.8%で多くの人は、諸条件を変更するなどしながら新築マンションの購入意向を続けて持っているようです。
留意したいのが、「無理な購入プラン」にならないことと「安易に妥協しない」ことです。ローンが組め購入できたとしても、返済に窮してしまうようでは困ります。また、購入にこだわりすぎて、安易に立地や広さを妥協して思い描いた暮らしが実現できないようなら本末転倒です。「何で新築分譲マンションを買おうと思ったか」を振り返って、選択肢を広げつつ重視ポイントを押さえながら購入プランを考えていきましょう。
「広い家」「資産を持ちたい」「交通の便が良い」が検討理由の上位
「通勤に便利な場所」「金利が低く」が上昇
同調査によれば、「現在マンションを購入している理由」として、「もっと広い家に住みたいから」としている人が全体の21.3%で1位です。器が大きい方が、家族構成の変化や成長に対応しやすく暮らしに余裕ができます。できれば今の家よりも+15平米ぐらいの広さは欲しいところでしょう。2位は、「資産を持ちたい・資産として有利だと思ったから」が19.4%。ここ数年、マンション価格が上昇していることもあり資産としての魅力が上がっていることも検討理由の上位に上がっている理由でしょう。3位は、「もっと交通の便の良いところに住みたいから」の17.8%。4位の「通勤に便利なところに住みたいから」が16.1%とランクアップしているように、便利さを求める傾向は高まっています。都心エリアのマンション人気もこうしたニーズの表れでしょう。昨年10位だった「現在は金利が低く、買い時だと思った」は、ランクアップして8位に。住宅ローン金利が低く、返済プランを計画しやすいことを検討理由に挙げている人も多いようです。
「マンションを購入したことで、暮らしが良くなる」ことで、結果的に人生が良い方向に向かうことが重要だと思います。住まいへのこだわりは、大切にしたいところでしょう。
「お金をかけてでもこだわりたいポイント」の上位10項目を見ると、「駅近」「間取り」「日照」といったキーワードとともに、「信頼」が上位にランク。価格が上昇している今だからこそ、施工会社、不動産会社、管理会社の「信頼」が問われているのかもしれません。
価格上昇を受けての行動で安易にとってほしくないのは、購入時期を早めたり遅らせたりすることです。検討している方の事情で、時期を変更するのは致し方ないと思いますが、マーケットの状況に左右されるのはどうかと思います。「自分が本当に住みたい」と思えるマンションに出会えるかどうかが大切。将来価格が下がってマーケット環境が良くなっても自分のこだわりに合致するマンションが見つからないかもしれません。また、供給戸数が減っているとはいえ首都圏で2014年の新築マンションの供給戸数は約4万4千戸。自分の希望にかなったマンションが見つかる可能性は低くないと思います。まずは、ご縁を信じて何らかのアクションを起こすことが大事なのではないでしょうか。