ミュージカル/ミュージカル・スペシャルインタビュー

Star Talk Vol.23 東山義久、道無き道を切り拓く(5ページ目)

その鋭いダンスと男性的な声を持ち味に、ダンス公演からミュージカルまで、幅広く活躍中の東山義久さん。今年10回目を迎える玉野和紀さん演出のショー『CLUB SEVEN』には第二回から出演を重ね、この春の最新版では4回目のシリーズ参加となります。本作の魅力や自身が受けた影響、またユニークなその来し方と今後の抱負を伺いました。*観劇レポートを追記しました!

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド

役柄も髪型も“束ねる”ことが多い所以

――昨年は『ニジンスキー』の再演もありました。
『ニジンスキー』撮影:山田勉

『ニジンスキー』撮影:山田勉

「ロシアの伝説のバレエダンサーの物語を荻田浩一さんが僕のために書き下ろし、演出してくださった作品です。実在した人物の役でしたが、荻田さんは僕のいいところも悪いところもよくご存知の方で、ニジンスキーというものを借りて僕という人間を表現させていただいたと思います。僕の大先輩である岡さんと安寿(ミラ)さんが共演してくださって、ダンスから始めた僕のキャリアの集大成ができたし、表現し切れたかなと思います。今までやってきてよかったな、間違ってないんだと自信が持てた舞台です」

――ご自身のグループ、DIAMOND☆DOGSでも活躍されていますが、そもそもどんな意図で立ち上げられたのですか?

「『エリザベート』で初めて帝国劇場に立たせていただいた時に、お客様たちのものすごい熱気を感じて、刺激を受けたんですね。ダンスの公演も“うまい”だけじゃなくて、お客様たちに“観ていただける”舞台を作りたい、ダンスもボーカルもできる、そんなエンタテインメントのグループを作りたいと思ったんです」

――DIAMOND☆DOGSでもミュージカルに出演されるときにも、リーダー的な役が多いですよね。
『ファウストオデッセイア』2014年undefined撮影:平賀正明

『ファウストオデッセイア』2014年 撮影:平賀正明

「そうなんですよ、どこのカンパニーに行っても翌日には“リーダー”と呼ばれるんですよね。なんででしょうか(笑)。ただ、僕、面倒くさがりなので、ぐずぐずしてるんだったらこうしようよ、と言う方ですね。ひっぱろうというようなおこがましいことは思ってないけど、物事を円滑に進めるために意見は言うほうかもしれないですね」

――ひっつめのヘアスタイルは昔からですか?
『宝塚BOYS』写真提供:東宝演劇部

『宝塚BOYS』写真提供:東宝演劇部

「短いこともありましたよ。『宝塚BOYS』では短かったし、色も真っ黒でした。ただ、長髪のほうが、ほどけば妖艶な感じになるし、結べばワイルドになったりしていろんな表現ができるんですよ。『サロメ』とか、中性的な役もやりやすいですし。短いと一色にしかならないので、あまり切らないですね。でも、本当は短髪のほうが似合うんです、たぶん。切りたいんですけどね(笑)」

――武士道精神に憧れていらっしゃるのかと思いました(笑)。

「そういう理由ではないです(笑)。でも結んでるから和装が似合うことはあるかもしれないですね」

――今後のビジョンとしては、どんなものを抱いていらっしゃいますか?

「DIAMOND☆DOGSを続けつつ、個人的には活動の幅を広げていきたいですね。例えば大河ドラマに出演したりとか。舞台俳優って“知る人ぞ知る”ということが多いかと思うんですが、舞台って腕がないと続けていけない、本当に大変な世界です。その舞台を続けていくためにも、舞台以外でも活動することで、“あの人がいるDIAMOND☆DOGSね”と舞台に来ていただくようになれれば、可能性も広がってゆくし、次世代の才能のある人たちを紹介していけるグループになるかもしれない。
『DIAMOND☆DOGSundefinedFunny』2015年undefined撮影:篠原稔

『DIAMOND☆DOGS Funny』2015年 撮影:篠原稔

そういった活動をしつつ、今は『CLUB SEVEN』のように与えていただいた機会を通して、自分がどういうことが出来るのか、(まだ未知の)才能をもっと知りたいし、(その過程を楽しみ、)酔いたいです」

*****
舞台俳優になる道は決して一つではない、と気づかせてくれる東山さんのトーク。穏やかながら率直な語りの中には時折、道無き道を切り拓いてきた人の“凄味”が感じられます。

そんな彼にとって自身のグループ活動と同じくらい大切な舞台『CLUB SEVEN』、今回は10回目を迎えたショーとともに、彼にとっても舞台人として「原点」を見つめなおす機会となるのではないでしょうか。ご自身ならずとも、東山さんのどんな“新たな側面”が引き出されるのか、楽しみでなりません。

*公演情報*
CLUB SEVEN 10th stage!
4月2~20日=シアタークリエ、4月23日=福岡市民会館、4月25~26日=梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、4月27日=愛知県芸術劇場大ホール

*次頁で『CLUB SEVEN』観劇レポートを掲載しました!*

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