企業経営のノウハウ

管理部門の悩み解決!大切なことが必ず社員に届くワザ(2ページ目)

管理部門の仕事の大半は社内への浸透、周知徹底ではないでしょうか。しかし悲しいかな、なかなか伝わらない、理解されない、浸透しないと言うのが現状ではないでしょうか。誰に何を伝えて、その結果どうして欲しいのか。明確にしつつも、どうしても管理部門目線で表現してしまったり、管理部門目線のツールで伝えようとしたり。再度、効果的な社内コミユニケーションを考えてみましょう。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

コンテンツをどのように料理するか

ターゲットにどうなって欲しいかが明確になると、そのために何のコンテンツを発信するべきかを考えていきます。逆に、コンテンツありきで、それを伝えることでどのようになって欲しいかを定めることもあります。

コンテンツが定まったとしても、それをそのまま伝えても、さっぱり効果が上がらないことは良くあることです。人は自分との関係性を認識して初めて「自分事」として考え始めます。コミュニケーションではこの当事者意識の喚起が大変重要です。
自分事として考えている様子

いかに当事者意識を喚起するかが大切。


「で? 何なの?」
「で? 私とどのように関係があるの?」
「で? 私はどうすればいいの?」

どのように当事者意識、その前の関係性を認知させるかを考えます。
コンテンツの内容をさらに大きく二つに分けると、
・こうして欲しい、これを使ってほしい、というポジティブなコンテンツ
・絶対しないでね、やめて欲しい、というネガティブなコンテンツ
があります。

メリットの実感、デメリットの実感

ポジティブなコンテンツは、それをすることでどのようなメリットが自分自身にあるかを具体的に示してあげます。既に実践している人の事例を取り上げ、それによるメリット、効果を本人の口から話してもらう。事例紹介です。あるいは、既に実践している人の数を取り上げ、未だ動いていない人に乗り遅れている感を感じてもらうのも一つの方法です。

一方、ネガティブコンテンツは、自分も守らないとまずい、という認識をしてもらうことです。代表的なコンテンツ、コンプライアンスの徹底。多くの企業では社内報を使い、各部門で想定されるコンプライアンス違反の事例を漫画で取り上げ、誰でもが関係するのだ、そして違反すると個人として相当のデメリットを受けるのだというメッセージを発信しています。平たく言えば、「びびらせる」ことが大切です。

ターゲットで一つ追加するとすれば、いきなり全員に伝えようとしなくても良い、ということです。社内で影響力のある「インフルエンサー」をターゲットとして、そこから伝播させていくという方法もあります。よく言われる正規分布「2、6、2」の上位2をターゲットとして、そこから、中位の6をなびかせる、という方法もあります。

ターゲットごとのメディア、ツールの選択と発信時期

最後にメディアの選定と発信時期があります。メディアの選定は、ターゲットの働き方と連動していきます。常にオフィス内で働いている人もいれば、直行直帰の営業もいます。この方々に同じ方法で伝えるのは無理があります。どのような働き方をしており、どのようなメディア・ツールであれば見てもらえるかは確認しておくことが重要です。

内勤者への伝達は一般的な社内コミュニケーションツール、電子メール、イントラネット、掲示版、ポスター掲示、冊子の配布、回覧など、ほとんど活用できるでしょう。営業など外回りが多い場合は、電子メールが中心となるでしょう。但し、ターゲットにリーチできたとしても、当事者意識が持てるような料理をしないと、素通りされてしまいます。

掲示版やポスターは、社員が必ず通過する場所に掲示されることが多いようです。タイムカードの上、共用備品の設置場所やプリンター、コピーの近く。ある企業では、トイレの個室の中、それも座ったらちょうど目の高さのところにくるように貼ってあるところもあります。社員が必ず通過する、さらに、手持無沙汰になるシーンに掲示すると目に入ってしまう。ということです。

最後に発信時期です。同じようなメッセージが立て続けに発信されると飽きられるように、同じようなコンテンツは発信時期をずらす必要があります。また、当然ながらターゲットの仕事の繁忙期は避けるとか、発信者側もターゲットの身になって、最適な、あるいは、見てもらえそうな時期を選定しましょう。

とにかく大事なことは、ターゲットの身になって、
・理解できるか
・当事者意識が持てるか
・そのメディアで見てもらえるか
を考えることです。
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